さて、今回はいよいよステッピングモーターを回す方法をご紹介したいと思います。その上で、マスター(ご主人様)とスレーブ(メイド)が何をどうしているのかを解説しましょう。実は、ご主人様とメイドは、制御系エンジニアが何週間もかけて書くスレーブのメモリマップ設計仕様書を、わずか数秒程度でするすると書き上げてしまうのです。
FA(ファクトリオートメーション)を支える「EtherCAT」。この超高度なネットワークを、無謀にも個人の“ホームセキュリティシステム”向けに応用するプロジェクトに挑みます……!! ⇒「江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る」 連載一覧
活版印刷(かっぱんいんさつ)、写真、インターネット。
これらの人類のパラダイムシフトをけん引してきたメディアのコアコンテンツが、全て「エロ」だったという話は、あまりにも有名です。
実際、私は、インターネットが「エロ」コンテンツによって ―― いや、正確に言うと「エロ」コンテンツだけで発展してきた経緯を、目の当たりにしてきた当事者です。
私が高校生のころ、PCなどという機械を操る奴は、一握りの技術エリート ―― 「オタク」とも言われていましたが ―― だけでした。電話をつないでPCで通信をするためには、手作業でドライバを組み込む(下手すると「自作する」)などという、超絶な高等技術が必要でした。
そのような情報系のエンジニアですら手を上げてしまうような困難な技術に、果敢に挑戦したのは、理系、文系の枠組みを超えた、日本中の成人男性たちでした。
―― 海外のエロ写真を見たい
この純粋な「エロ」への思いは、わが国のネットワーク技術を、エンドユーザーのレベルに至るまで、高度なレベルに引き上げました(今はひっくり返ってしまっているようですが(参考)。
IoT(モノのインターネット)にパラダイムシフトを与え得る「エロ」とは、何であろうか。
私は、ずっと考え続けています。
私は、IoTを真に発展させるものは、「ビッグデータ」でも「人工知能」でもなく、「エロ」であると確信しています。しかし、現時点において、そのような観点から論じられている文献、論文、講演などは存在していないようです。
私は、内閣府、経済産業省あたりが、「国家戦略としての『エロ』と『IoT』」を真面目に検討し始めたら、わが国のIoT技術やサービスは、世界的に突出したレベルに至るのではないかと期待しています。
では、なぜ、内閣府、経済産業省、主導なのか?
決まっています。
社内でそんな提案したら、「私のクビ」が危ないからです。
こんにちは。江端智一です。
前回の最後のページに、「EtherCATスレーブでステッピングモーターを回すことに成功しました!」と記載しました。
そこで、「読者の皆さんにも、実際にステッピングモーターを回してもらう」ことを目的として、前後半2回に分けてお話したいと考えています。
まずは、実際に動いているところをご覧ください。
パトロールランプをオン/オフする様子がこちらです。
この構成図は下記の通りです。
そして、回路図は以下のようになっています。
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