――5Gの検証テストの結果は、いつ共有されるの?
2016年3月7〜10日にスウェーデンのヨーテボリで5G技術を推進する委員会が開催される。Kimery氏は、「キャリア/機器メーカーは同委員会で、試作品の検証結果を共有すると予想される」と述べている。
――5Gの標準化はいつ?
2017年3月頃にはリリース14が完成し、5Gの検証段階が終了する見通しだ。業界は、「2018年9月までに5G規格1.0のフェーズ1を策定し、2019年12月にはフェーズ2を完成させたい」としている。
――5Gのフェーズ1とフェーズ2には上位互換性はあるか?
Kimery氏によると、「5Gの標準化を推進する5G PPP(5G Infrastructure Public Private Partnership)は、2018年に策定される5Gフェーズ1と2020年に追加されるフェーズ2には上位互換性を持たせることで合意している」という。
――5Gは多くのユーザーや用途を想定しているが、ターゲットが広すぎるのでは?
GSMAのHutton氏は、「5Gには70種類もの使用事例が確認されている。スマートメーターやタッチインターネット(Tactile Internet)、仮想現実など、適用範囲は幅広い」と述べている。
だが、モバイルブロードバンド通信を拡張するために必要な技術要件は、遅延の許されないミッションクリティカルな用途や、膨大な数のIoT機器に使用する場合とは違うはずだ。
そのため、優先順位を付けることが必要だ。フェーズ1はその点を考慮して開発されるだろう。
――では、フェーズ1では何が最も重視されるの?
Kimery氏は、「キャリアにとって最も差し迫った問題は、モバイルデータの急激な増加が続いていることだ。データの増加に対応するために、キャリアは5Gの実用化を急いでいる」と述べている。
同氏は、「Massive MIMO(大規模MIMO)やビームフォーミング、新しい波形や変調方式などの技術についても検討が必要だが、5Gのフェーズ1の決定に向けて議論の中心となるのはミリ波だ」と主張する。
一方、Hutton氏は、はっきりとした見解を示していない。同氏は、「ミリ波はまだ、理論上の技術のように思える。ミリ波のような高周波数通信のメリットは多いが、他の技術についても同様に検討していく必要がある。5Gはさまざまな業界の幅広いニーズに対応できる技術であるべきだ」と指摘している。
――フェーズ1が成功するためのカギは?
Kimery氏は、ミリ波通信を推進する上で、1つの周波数帯を選択する重要性を説く。同氏は、「28GHz、39GHz、70GHzのいずれか1つを選択すべきだ」と主張する。
同氏は、「まずは1つの周波数帯を中心に展開し、その後で他の周波数帯にも拡張するやり方が望ましい」と付け加えた。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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