東芝がキヤノンに優先交渉権――医療機器子会社売却で:公式発表、18日までに決着へ
東芝は、子会社の東芝メディカルシステムズの売却に関して、キヤノンに優先交渉権を与えたと発表した。
東芝は2016年3月9日、経営再建に向けた経営施策「新生東芝アクションプラン」の一環として進めてきた東芝メディカルシステムズの売却について、キヤノンに独占交渉権を付与すると発表した。この交渉権の有効期間は2016年3月18日までであり、同期間中にキヤノンと最終合意に達するよう協議を続けるとしている。
新生東芝アクションプランは、東芝が2015年12月に発表したもの。「2016年度からV字回復を果たす」(同社)として、PC、映像機器、白物家電などについて構造改革案を盛り込んだ。
東芝メディカルシステムズは、東芝が、電力/インフラ事業やストレージ事業とともに注力するヘルスケア事業の中核を担う会社で、2015年度は唯一の黒字部門となる見込みだったが、新生東芝アクションプランの発表時に株式の売却を発表。売却益は、自己資本比率10%を割り込むなどし、危機的な財務状況の改善に充てる。なお、キヤノンが応札した額について東芝は明らかにしていないが、東芝社長の室町正志氏は2016年2月4日の決算会見で、「現状報道されている額(4000億〜5000億円)より高くなる」との見通しを語っていた。
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東芝は2015年12月21日、経営再建に向けた経営施策「新生東芝アクションプラン」を発表した。東芝メディカルの株式を売却し資金確保を進めつつ、PC、テレビ、家電、HDDといった赤字事業の構造改革を2015年度(2016年3月期)中に実施し、2016年度以降の黒字化を目指す。
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