Maximがこのほど、出荷を始めたトランシーバーICは、「SFP28向けとしては、業界で初めてドライバを内蔵したIC」(Maxim)だ。
新しいトランシーバーICを使用した場合のSFP28光モジュール部品構成イメージ。これまでのSFP28光モジュールではTOSA(トランスミッタ光サブアセンブリ)にドライバICを搭載する必要があった。なお、Maximは今後、SFP28向けに最適化したコントローラIC(開発中)も提供する予定だという 出典:Maxim Integrated Productsドライバ内蔵を実現できた理由について、同社Cloud & Dataビジネスユニットでビジネスマネジメント担当ディレクターを務めるAndrew Sharratt氏は「これまで光モジュール向けトランシーバーICを提供し続けてきた中で、培った設計ノウハウによるところが最も大きい。競合他社も、ドライバを内蔵するのに必要な技術は持ち合わせているはずだが、そうした技術を生かすための設計ノウハウの部分でMaximは他に先んじている」と語る。新製品は、DC結合タイプで、シグナルインテグリティーの調整についてもソフトウェアで調整でき、受動部品などによるハードウェア調整が不要だ。
Sharratt氏は「SFP+と全く同じアーキテクチャでSPF28を構成でき、(モジュールベンダーは)既存の製造/テスト設備を流用でき、新たな技術を必要としない。さらに、熱の影響を受けやすいレーザーの近くにドライバICという熱源を使用しないため、より安価なレーザーが使える。低コストなTO-Can型発光デバイスでSFP28光モジュールを実現できる」とする。消費電力については「性能の良いレーザーを使用すれば、モジュールとして1W程度の消費電力を達成できる見込み。現状、SFP+光モジュールの消費電力は0.8W程度であり、消費電力面でも問題はない」。
トランシーバーICの価格は明かしていないが、「現状では(普及のカギである)SFP+の2.5倍以下の価格で、SFP28光モジュールを実現できる可能性のあるトランシーバーICであることは間違いない。2.5倍以下の価格を実現できるかどうかは、光デバイス次第だが、そう遠くはない時期に実現されるはずだ」(Sharratt氏)と語っている。
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