新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は、超小型光トランシーバ(光I/Oコア)を搭載した実装ボードを開発した。光I/Oコアと新開発のデータ伝送技術を組み合わせることで、チャネルあたり25Gビット/秒(bps)の高速伝送を実現することができる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は2015年10月、超小型光トランシーバ(光I/Oコア)を搭載した実装ボードを開発したことを発表した。光I/Oコアと新開発のデータ伝送技術を組み合わせることで、チャネルあたり25Gビット/秒(bps)の高速伝送を実現することができる。さらに、この技術をLSI間接続に適用し、ボード全体では最大2.4Tbpsのデータ伝送を目指していく。消費電力は従来に比べて1/3以下に抑えることができるという。
NEDOとPETRAはすでに、シリコン基板上に光素子を形成するシリコンフォトニクス技術を用いて、外形寸法が5mm角の光I/Oコアを開発している。この光I/Oコアは、1Gbpsあたり消費電力が5mWで、1チャネルあたり25Gbpsの伝送速度を達成している。
今回は、この光I/Oコアに加えて、LSIと光I/Oコア間でデータ伝送する時に生じる電気信号の反射や減衰を管理するための高速伝送技術を開発しボードに搭載した。このボード上には、外形寸法が40mm角のFPGAチップ周辺に、5mm角の光I/Oコアを16個配置している。これによって、FPGAはI/Oのボトルネックを解消することが可能となる。
NEDOとPETRAは、FPGAと送受信用の光I/Oコアを用いて高速伝送実証を行った。FPGAから25Gbpsの電気信号を光入出力付LSI基板上の送信用光I/Oコア(Tx)で光信号に変換し、マルチモードファイバ経由で伝送したあと、受信用光I/Oコア(Rx)で電気信号に変換し、FPGAで受信した。この時の電気信号及び光信号波形を観測/評価したところ、FPGA間を25Gbpsの光信号で結んでも、実用上問題はないことが分かった。
NEDOとPETRAは今後、FPGA間のマルチモードファイバ伝送などにおける課題を解決しつつ、2.4Tbpsの実証実験を行っていく。また、CPU等のLSIにも対応させることで、開発した大容量LSI用光インタフェース技術を、サーバノード間インタフェースなどにも適応できるようにしていく予定である。
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