見守りソリューション以外にも、ホーム&ヘルスケアのコンセプトを用いて、ストレスフリーの健康管理ソリューションや独自ワイヤレス給電を使った完全防水型補聴器ソリューションなどを構築し、MEDTECでそれらを公開する。
健康管理ソリューションでキーになるのは、マイコンと独自アルゴリズムを使ったセンシング情報の処理技術とともに、ユーザーインタフェース(UI)技術だ。健康管理のために特別なボタンなどUIを設けるのではなく、洗面台や鏡などに静電容量式タッチセンサーを設けることでより自然なUIを実現するシステムを提案。ルネサスでは、高感度を実現する静電容量タッチキーIPを既に提供しており、同IPにより鏡や天板など分厚いカバーで静電容量ボタンを覆っても、近接した指を検知できるUIが実現できる利点をソリューションに応用した。これにより、洗面台で洗顔する際に、自動的に健康状態をセンシングし、健康状態をチェックしたければ、鏡に手をかざすことで表れるUIを操作して確認するといったシステムが実現できる。
「今回の紹介するソリューションは全て、既に提供済みの半導体製品で実現しており、すぐに実用化できるものばかりだ」とし、現在のヘルスケア機器開発の課題を解決する“ソリューション”と位置付け提案を図る。
ルネサスでは、ソリューションをレファレンスとして提供するとともに、ソリューション開発で構築したソフトウェア/アルゴリズムをマイコンなど半導体製品の価値を高めるIPとして顧客に提供し、半導体製品の販売増へとつなげる方針。「これまでは、汎用マイコンビジネスの一貫として、結果的にヘルスケア/医療用途で年間60億円程度のビジネスを獲得してきた。今後は、ソフトウェアアルゴリズム、さらにはソリューションの開発通じて、ヘルスケア/医療用途に向けた付加価値を生み出し、ビジネス規模の拡大を加速させる。2020年には現状の2.5倍となる年間150億円規模のビジネスへと引き上げたい」(伊藤氏)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.