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従来より実装面積30%削減したモータードライバIC上下同時ON防止機能を内蔵

サンケン電気は、「TECHNO-FRONTIER 2016」(2016年4月20〜22日/幕張メッセ)で、サーミスター内蔵3相モータードライバIC「SCM3600C」シリーズを展示した。競合他社の製品にはない、デッドタイムを短くすることができる「上下同時ON防止機能」を搭載しているという。

» 2016年04月22日 10時00分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 サンケン電気は、2016年4月20〜22日に幕張メッセで開催されている「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア 2016)」で、“エコと省エネ”をキーワードに、同社のソリューションをアプリケーションに応じて展示を行った。

 ゾーンの構成は、「オートモーティブ」「モーターコントロール」「パワーマネジメント」「デジタル&パワーデバイス」「パワーサプライ」「パワーシステム」に加えて、車載市場での採用製品展示コーナーが今年から設けられている。

サンケン電気のモータードライバICラインアップ (クリックで拡大)

 本記事では、モーターコントロールコーナーで新製品として展示されていた、サーミスター内蔵3相モータードライバIC「SCM3600C」シリーズを紹介する。

上下同時ON防止機能を搭載

モータードライバIC「SCM3600C」。サイズは、38.0×20.8×4.0mm (クリックで拡大)

 SCM3600Cは、「上下同時ON防止機能」を搭載している。一般にモータードライバのハイサイドIGBTとローサイドIGBTが同時にONしてしまうとショートしてしまう。ショートしてデッドタイムが長くなってしまうと、モーターの騒音が大きくなったり、効率が悪くなったりしてしまうという。

 同社は、6個のIGBTを1個のモノリシックICでコントロールし、ハイサイド/ローサイドそれぞれの情報を共有することで、上下同時ON防止機能を実現した。「上下同時ON防止機能は他社にない特長」(同社)であり、これによりデッドタイムを短くできる。

 また、ピンの配置やレイアウトの見直しを行ったことで、実装面積を削減。説明員は、「従来製品のSCM1200Mシリーズと比較して、約30〜40%実装面積を削減できている」と語る。用途としては、主に中国向けの洗濯機を想定しているとした。

展示では、モーターを駆動させたデモが行われている (クリックで拡大)

MOS-FETベースでの製品化も計画

 SCM3600Cシリーズのラインアップは、5、10、15Aの3種類をそろえる。5A製品は、低損失を実現できるMOSFETベースでの製品化を計画しており、量産化の時期は未定。10、15A製品は、2016年8月の量産化を予定している。いずれも、耐圧は600Vだ。

 説明員は「今後は、30Aなど大電流化した製品を展開してきたい」と語った。

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