ニチコンは、「TECHNO-FRONTIER 2016」(2016年4月20〜22日/幕張メッセ)で、定格電圧600Vと「業界最小」(同社)という小型サイズを実現したアルミ電解コンデンサーを展示した。
ニチコンは、2016年4月20〜22日に幕張メッセで開催された「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア 2016)」の「第31回 電源システム展」で、同年4月18日に発表した2種類の基板自立形アルミ電解コンデンサーを展示した。
1つは、定格電圧600Vを実現した「LGNシリーズ」である。インバーターの制御回路や太陽光発電に使用するパワーコンディショナーは、高効率化/省エネルギー化に伴い、高耐圧化が求められる。同社の従来製品は500Vまでのラインアップだったが、耐電圧酸化皮膜の電極箔、皮膜修復能力を高めた電解液、高耐電圧電解紙を新しく採用。電解液は組成の最適化を行ったことで、約20〜30%の高耐圧化を実現している。これにより、最大使用温度105℃で600Vに耐えるアルミ電解コンデンサーの開発に成功したという。
静電容量範囲は56〜3300μF、サイズは直径20〜35mm/高さ25〜50mmとなっている。寿命は、105℃で3000時間。月産20万個を予定するとした。
2つ目は、「業界最小」(同社)を実現したという「LGMシリーズ」である。新しく開発した電極箔、耐久性の高い電解液/電解紙を採用し、体積比で最大16%の小型化に成功。従来製品の「LGLシリーズ」の最小サイズは直径25mm×高さ30mmだが、LGMシリーズは直径25mm×高さ25mmを実現した。産業機器や白物家電などの各種電源に向く。
静電容量範囲は180〜820μF、サイズは直径22〜35mm/高さ30〜45mmとなっている。使用温度範囲は−25〜105℃。寿命は105℃で2000時間だ。月産50万個の予定である。LGNシリーズ/LGMシリーズともに、2016年4月から量産を開始している。
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