u-blox(ユーブロックス)は、「第5回IoT/M2M展 春」で、スタンドアロン型BLE(Bluetooth Low Energy)モジュールや、IoTゲートウェイモジュールを応用したIoTソリューションのデモ展示を行った。
u-blox(ユーブロックス)は、「第5回IoT/M2M展 春」(2016年5月11〜13日)において、サイコロに内蔵したセンサー情報からサイコロの出目を感知し、PC画面に表示するデモを行った。
センサー端末となるデモ用のサイコロには、同社製のスタンドアロン型BLE(Bluetooth Low Energy)モジュール「NINA-B1」シリーズや、加速度センサーなどが内蔵されている。NINA-B1シリーズは、Bluetooth v4.2の最新仕様に対応している。従来仕様に比べて、セキュリティ機能や機器同士の接続性が強化され、データ転送速度も2.5倍となる。また、モジュールにはARMプロセッサとメモリも組み込まれており、これらを別途用意する必要がない。
「Bluetooth規格対応のモジュール開発でこれまで多くの実績と経験を有しており、Bluetooth v4.2仕様に準拠した製品もいち早く市場に投入することができた」(説明員)と話す。
展示ブースでは複数のデモ用サイコロの他、デュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz帯)とデュアルモードBluetooth v4.0(BLE及びクラシックBluetooth)対応の無線通信をサポートするIoTゲートウェイモジュール「ODIN-W2」シリーズを搭載したアクセスポイントなどを用意した。
サイコロを振ると、内蔵した加速度センサーでその出目を感知し、同社製IoTゲートウェイモジュールを搭載したアクセスポイントを経由して、スマートフォンに転送される。そのあと、データはセルラー通信でクラウドに送信され、解析結果をPC画面に表示させるデモシステムである。
同社はこれ以外にも、NINA-B1シリーズと加速度センサーを組み合わせた応用事例として、自動車や高級ブランド品の盗難防止システムなどへの適用を挙げる。
IoT機器の利用環境としては、通信頻度が極めて少なく、通信1回当たりのデータ量が小さい用途も少なくない。例えば、水道やガス/電気などのメーター検針などである。これらの用途では、「広域エリアを一括管理したい」「電池1本で長期間使用したい」「通信コストを抑えたい」などの要求が強いという。
これらの要求に対して、IoT向け広域ネットワーク「Low Power Wide Area Networks(LPWAN)」技術が注目されている。その1つがIoT向けLTE規格「ナローバンドIoT(NB-IoT)」である。この技術は「3GPP R.13」として2016年6月にもリリースされる予定だ。NB-IoT対応部品は2017年にも実用化される見通しである。
NB-IoTを推進する団体には、IntelやVodafone、China Mobile、Ericsson、HUAWEIなどが参加している。u-bloxもNB-IoT陣営に参画し、欧州向けとアジア向けに対応する通信モジュールの開発を進めているという。
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