u-bloxは2016年2月16日、誤差数センチ程度の高精度測位を実現するGNSS(衛星測位システム)レシーバーモジュールを発表した。
u-blox(ユーブロックス)は2016年2月16日、数センチレベルの高精度測位に対応したGNSS(衛星測位システム)レシーバーモジュール「NEO-M8P」のサンプル出荷を開始した。固定局と移動局間で通信し補正を行うGNSS RTK(リアルタイム・キネマティック)で高精度測位を実現する。これまでボックス形状の端末が必要だったGNSS RTKを、12.2×16×2.4mmサイズのモジュールで小型、低コスト、低消費電力に実現できる。量産出荷は2016年7〜9月からを予定している。
GNSSレシーバーは通常、単独で使用され測位誤差が数メートル生じる。GNSS RTKではあらかじめ設置位置を特定している固定局で、誤差を含む衛星からの測位情報と実際の位置から差分(補正データ)を割り出し、その差分を基に移動局が測位情報を補正する。これにより、測位誤差数センチレベルの高精度測位を可能にする。
NEO-M8Pには、固定局(ベースレシーバー)用(型番:NEO-M8P-2)と移動局(ローバー)用(型番:NEO-M8P-0)の2種類があり、いずれもサイズ12.2×16×2.4mmのモジュール形状だ。補正に必要なRTKアルゴリズムもモジュール内に組み込まれ、別途プロセッサなどを用意する必要がない。そのため、これまでのRTK対応システムより大幅に小型、軽量なシステムを構築でき、消費電力も「既存ソリューションの5分の1に抑える」(u-blox)とする。
固定局と移動局間の補正データ通信は、RTCM(米海上無線技術委員会)プロトコルを使用する。対応する測位衛星はGPSとGLONASS。
同社は「今までRTK技術は、ほとんどが測量や建築などのニッチ市場で使用されてきた。現行の高精度な測位技術は、高価格とその複雑さにより、他のほとんどの用途では手の届かないものとなっている。無人車両といった新市場では、低消費電力、低コスト、高精度な測位性能を発揮するモジュールが必要とされてる。さらに、農業用機械やロボット芝刈り機などの誘導システムなどにも必要とされている。こうした市場のニーズに応えるのが、小型サイズで費用対効果が高く、高精度のRTKベースのソリューションを提供する新製品だ」とコメントしている。
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