シャープは2016年5月19日、太陽電池モジュールとして世界最高の変換効率31.17%を化合物3接合型太陽電池で達成したと発表した。従来の太陽電池モジュールの変換効率の世界記録を大幅に塗り替えたとする。
シャープは2016年5月19日、太陽電池モジュールとして世界最高の変換効率31.17%を化合物3接合型太陽電池で達成したと発表した。
今回の太陽電池モジュールの開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトの一環として実施したもの。NEDOによるとこれまでの研究レベルにおける太陽電池モジュールにおける変換効率の世界記録は2012年にAlta Devicesが達成した24.1%だったという。今回の変換効率31.17%は、従来記録を大幅に塗り替える値だ。
変換効率31.17%を達成した化合物3接合太陽電池セルは、インジウムガリウムヒ素をボトム層とする3つの光吸収層を積み上げた構造を持つ。この構造のセルでは、2013年4月に小サイズ(面積:1.047cm2)で、37.9%の変換効率を達成していた。今回、実用可能なサイズ(面積:27.86cm2)での太陽電池セルを用いて、セルの集合体であるモジュール(面積:968cm2)を作製し、「世界最高変換効率31.17%を達成した」(NEDO)とする。
NEDOでは、「軽量かつフレキシブルという特徴を兼ね備えており、発電コスト低減だけでなく、高効率化と軽量化が求められる自動車等への展開も期待できる」とし、今後、「発電コスト7円/kWh達成とあわせ、自動車搭載などの高付加価値技術の開発も進める」としている。
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