NECでは、開発した分散版異種混合学習技術の実証試験として、ATM(現金自動預払機)2万台の残高予測分析を実施。ATM2万台から得られる分析対象データ(約2300万データ)は、従来の異種混合学習技術(1CPUコア/256Gバイト容量のメモリのコンピュータ1台で処理)では一括処理できない規模で、人手で分析対象データを2〜3つに分割し、学習処理し統合していた規模に相当する。
実証実験では、10台のコンピュータ、計128CPUコア、総メモリ容量2.5Tバイトを使い、分散版異種混合学習を行ったところ、従来の異種混合学習技術よりも、約110倍の速さで学習処理が行えたという。また予測精度も、分析対象データを分割して従来技術で学習した場合よりもおおよそ17%向上し、高い精度の予測が得られたという。
今回、分散処理技術を構築したことで、異種混合学習技術の課題であった規模の制約が解消されたことになる。NECは、今後メモリの利用効率のさらなる改善や、コンピュータ1台当たりのメモリ容量が小さいクラウド上のマイクロクラスタへの適応などの改善を行い2017年度中の実用化を目指すという。「既に実績ある多数の用途で、より分析対象データ規模を大きくしたいというニーズがあり、そうした要望に応えていきたい」とした。
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