村田製作所は、薄型で大容量を実現したラミネートタイプのエネルギーデバイス「UMAL」を商品化した。ワイヤレスセンサーネットワークのセンサーノードなどの用途に向ける。
村田製作所は2016年6月、薄型で大容量を実現したラミネートタイプのエネルギーデバイス「UMAL」を商品化したと発表した。2016年7月より量産を始める。ワイヤレスセンサーネットワークのセンサーノードなどの用途に向ける。
同社は、エネルギーデバイスとして、シリンダータイプの製品「UMAC」を2015年10月より量産してきた。従来の二次電池に比べて、高レートの充放電特性と長寿命を実現したのが特長である。
今回は、薄型化と大容量化の要求に対して、外形寸法が14.0×21.0mmで、厚みが2.2mmのラミネートタイプを追加した。UMALは、容量が12mAhと大きく、内部抵抗は200mΩと小さい。また、10C(120mA)と極めて高い電流レートで連続放電を可能とした。充放電サイクル特性(寿命)は、5000サイクルで充電容量回復率90%以上を達成している。これは、従来のシリンダータイプよりも長いサイクル特性だという。使用温度範囲は−20〜70℃となっている。
UMALはこうした特性から、メンテナンスフリーを可能とする。ピークアシスト用のキャパシタをなくすこともできる。自己放電が小さく蓄電したエネルギーのロスが少ない、電圧が一定しており充電開始後でもすぐに使用できる、などの特長がある。しかも、化学的に安定した組成を用いており、万が一ショートした場合でも、発煙や発火することはないという。
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