機械学習やニューラルネットワークが根本的な問題を解決するケースは、医療分野や衛星通信分野などでも見いだすことができる。例えば、これらの分野では、衛星地図から太陽光パネルを売り込めそうな家を特定したい、糖尿病患者の眼の変性を検査したいといったニーズが想定できる。音声認識で構築したモデルは、こうしたニーズに応えられるよう、容易に応用できる。
“機械学習やニューラルネットワークによる理解”への道には、わずかながら障害もある。機械学習で構築したモデルは、自律的に学んでいく必要がある上に、マルチタスクなどにも対応する必要がある。
Dean氏は、「研究者たちは、機械学習においてプライバシーを守る技術に注目し始めている」と述べた他、モデル構築の重要性にも言及した。モデルの構築は機械学習の要素の1つで、機械学習への影響力を管理する上で人間との相互作用が重要な役割を果たす。
システムの観点から考えると、次の課題は「機械学習の高レベルの記述をどのように用いるか、そしてそれらをさまざまなハードウェアにマッピングするにはどうすればよいかを明らかにすること」になる。加えてDean氏は、機械学習を従来型のデータ処理技術に統合することも望んでいると述べた。
Dean氏は「ニューラルネットワークは今度こそ、実用化されていくだろう。1990年代にも多くの話題があったが、当時はコンピュータリソースに欠けていた。ここにきて、ニューラルネットワークは、関連性が極めて高い問題を解決できる可能性を示している。ディープニューラルネットワークを、データにどう適用するか、それを検討してみるべきだろう」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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