DNPは、ディスプレイの特長を生かすための独自コンテンツも用意した。その1つは「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」の4K特別映像および8K映像を新たに編集した「京 春夏秋冬」である。もう1つはフランス国立図書館(BnF)が所蔵する地球儀・天球儀の3Dデジタルアーカイブデータから制作した超高解像度映像である。顧客から要求があればオリジナル映像の受託制作も行う予定である。
DNPは、2016年10月を目標に、今回導入した最新の曲面デジタルサイネージを製品化する計画だ。大型商業施設や公共交通機関、オフィスビルやマンションのエントランスなどに向けて販売する。関連する製品やコンテンツ、サービスを含め、2019年度には20億円の売上高を目指す。特に、期待している利用目的として、空間演出(アンビエント)やブランディング、広告などを上位に挙げた。また、DNPの強みとして、顧客が有する素材データを有効的に2次利用する「ワンソースマルチユース」の展開が可能なことを強調した。
LGエレクトロニクス・ジャパンの李氏は、「当社は2013年1月に世界初となる民生用55型有機ELテレビを発表した。2015年5月には日本市場でも有機ELテレビを発売した。大型曲面デジタルサイネージ向け製品としては、2015年11月に韓国仁川国際空港へ納入した。本日をもって日本のデジタルサイネージ市場に本格参入する」と語った。
有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて、「コントラストが高く色再現性に優れている」「視野角が広い」「薄型で曲面形状が可能」「軽量で設置場所の制限が少ない」といった利点がある。「新たなビジネスを創出できる素材である。視聴者に対しても新たな満足と感動を与えることができる」(李氏)として、新規の用途開拓を積極的に展開していく方針である。
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