ロボット用センサーユニット、荷台をピタリと制御:デモの様子を動画で紹介(2/2 ページ)
大森氏は、同製品を活用することで、「ロボットの正確な動作を実現し、荷物落下や経路逸脱事故を防止できる」と語る。例えば、荷物搬送ロボットでは荷台姿勢制御により、安定搬送可能速度を上げ、搬送時間を短縮することにつながる。自律走行ロボットでは、自己位置を正確に推定し、素早く走行経路へ復帰し、走行エリアを拡大できる。
同社が行った効果試算によると、荷物搬送ロボットでは、制御なしと比較して搬送効率が46%向上。自律走行ロボットでは、ICT用のセンシングユニットは100m直進時誤差5.4mだったのに対して、今回発表したセンシングユニットは1.6mだったという。
「モーションセンシングユニット」の用途展開 (クリックで拡大) 出典:パナソニック
同製品は、2016年末にサンプル出荷の予定。サンプル価格は18万円とし、2017年度の量産化を目指す。サイズは74×49×16mmである。大森氏は、「今回発表したモーションセンシングユニットで、2020年までに数十億円の売上高を目指す」とした。
説明会では、荷物搬送ロボットの姿勢制御デモが公開された。デモでは、前後左右方向の加速度と傾斜に対してアルゴリズムを適用。ロボットが急停止したとしても、荷台上の空き缶が倒れないように水平移動量と傾斜角度を制御する様子が見られた。
荷物搬送ロボットに何も制御を行っていない場合、急停止すると、荷台の上の空き缶は倒れてしまう。
「モーションセンシングユニット」で荷物搬送ロボットの制御を行うと、空き缶が倒れないように水平移動量と傾斜角度を制御している様子が分かる。
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