実験では、実際に温度勾配の大きさに比例したホール電圧が測定されたという(図3b、c)。このホール電圧は、外部磁場に比例して大きさが変化することから、温度勾配によって金薄膜中に磁化が生じることを示している。つまり、磁石ではない金属中に、温度勾配で非平衡磁化が生じることを「世界で初めて」(科学技術振興機構)証明。今回観測したホール効果は、磁性体が持つ通常の磁化による異常ホール効果とは異なり、熱非平衡状態で生じた非平衡磁化によるものとして、「非平衡異常ホール効果」と命名した。
なお、同研究は、デルフト工科大学(オランダ)のゲリット・バウアー氏らと共同で行われており、化学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業によって成果が得られている。
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