これからも技術者が使いやすいオープンなシステムを : LabVIEW誕生30周年 (2/2 ページ)
NIWeek 2016基調講演では、NI製品の高速データ処理にFPGAによる高速演算を組み合わせ、膨大なデータをリアルタイムに処理していくという事例をいくつも紹介した。
オーストラリアのMWA(Murchison Widefield Array)電波望遠鏡では、多数のアンテナの1つ1つにFlexRIOを搭載して300Gバイト/秒のデータをリアルタイムに解析して結果だけをサーバに送っている。
MWA電波望遠鏡は全部で2048個のアンテナを使用しているが、そのアンテナごとにFlexRIOを載せ、300Gバイト/秒という大量のデータをFPGAがリアルタイム解析して結果をサーバに送信する仕組みだ (クリックで拡大)
スウェーデンの航空機メーカーSaab Aeronauticsは、多目的戦闘機「Gripen E」のECU開発にCompactRIOとLabVIEWを利用し、製品の複雑度は増しているにもかかわらず開発コストを下げることに成功した。
Saab Aeronauticsが開発した小型多目的戦闘機「Gripen E」は40のECU、1000のアクチュエーター/センサーが使われているが、その開発において、以前のカスタム製品に替えてCompactRIOを導入して開発工数とコストを抑えた (クリックで拡大)
戦闘機開発において複雑度は増加しているが、NI製品の利用によってコストは2割減少できたという (クリックで拡大)
工場などで使用する水のポンプシステムを提供するFlowsereveは、システムの可用性を向上するためにNI、PTC、HPエンタープライズと共同でAIを利用したモニタリングシステムを作り上げ、ダウンタイムを減少させたことを紹介した。
ポンプに取り付けられたセンサーからの2.5Mバイト/秒のデータをNI製品が処理し、80Kバイトまで間引いたものをAIに送って、ポイントごとでなくシステム全体のデータから、本当にシステムを止めるべき異常なのか、それとも問題ないものなのか判断する (クリックで拡大)
処理できる帯域幅が1GHzに拡大した第2世代のベクトル信号トランシーバ(VST2)を4つ使用し、4つのVST2からのデータをFPGAでリアルタイムに重ね合わせることで、3.5GHzという広帯域の測定を可能にした5G(第5世代移動通信)用テストシステム (クリックで拡大)
【取材協力 :ナショナルインスツルメンツ】
「計測器メーカーとしてゼネラリストではいけない」
システム開発ソフトウェア「LabVIEW」を中核とする計測プラットフォームを提供する日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)。同社では2016年4月1日付で代表取締役が交代し、池田亮太氏に代わって、コラーナ マンディップ シング氏が就任した。
補助人工心臓に5G向けMIMO、NIが活用事例を披露
National Instruments(NI)のテクニカルカンファレンス「NIWeek 2015」が、米国で開催されている。1日目の基調講演では、補助人工心臓や5G通信向けのFD(Full Dimension)-MIMOなど、NI製品を使用した数多くの事例に関心が集まった。
産業用IoTに狙いを定めるNI、主力の「LabVIEW」プラットフォームを武器に
計測器メーカーのNational Instruments(ナショナルインスツルメンツ)は、産業用IoTに狙いを定めている。もともと得意分野である状態監視システムだけでなく、機器に実装してスマート化を図る組み込みモジュールの展開にも力を入れる。どんな用途にも同じプラットフォームで対応できることが最大の強みだ。
宇宙で太陽光発電して、マイクロ波で地上に! 20年後の実用化を目指すSPS
宇宙空間に太陽電池を設置し、マイクロ波で地上に送電する。そうすれば天候に左右されることなく、24時間、安定した太陽光発電が可能だ――。京都大学の篠原真殻教授が、“エネルギーに困らない社会”を目指す、壮大な「宇宙太陽発電所(SPS)構想」を語った。
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