u-blox(ユーブロックス)は2016年9月30日、三菱電機と共同で、測位誤差数センチを実現する準天頂衛星システムによる「センチメータ級測位補強サービス」対応受信チップを開発すると発表した。2018年に自動車向け製品として実用化する。
u-blox(ユーブロックス)は2016年9月30日、三菱電機と共同で、測位誤差数センチを実現する自動車向けGNSS(全地球航法衛星システム)受信チップを開発すると発表した。2018年4月までに製品化する方針。
u-bloxと三菱電機が共同で開発するのは、2018年4月にサービスがスタートする準天頂衛星システムによる「センチメータ級測位補強サービス」(CLAS:Centimeter Level Augmentation Service)に対応する次世代型のGNSS受信チップだ。
CLASは、通常、メートル単位の測位誤差が生じるGPS(全地球測位システム)などの従来GNSSを補完し、測位精度を誤差数センチまで高めるもの。あらかじめ正確な絶対位置が割り出されている電子基準点で、GPSなどのGNSSからの測位情報の誤差を算出、その誤差分を補正する情報(=測位補強データ)を準天頂衛星から、CLAS対応GNSS受信チップに配信。結果として、誤差数センチという高精度の測位が可能になるというサービス。衛星からの信号だけで、高精度な絶対位置検出ができるサービスであり、自動運転化の進む自動車分野をはじめ、幅広い用途での利用が見込まれている。
開発するCLAS対応受信チップは、従来のGNSSの測位情報とは別に、準天頂衛星からの「L6信号」(中心周波数1278.75MHz)と呼ばれる測位補強データ信号も受信する必要がある。今後、u-bloxは、CLASの開発を行う三菱電機から技術支援を受けて、自動車向けのL6信号対応GNSS受信チップを開発する。
u-blox共同設立者で測位製品開発担当執行役員を務めるDaniel Ammann氏は、「L6信号を受信するために、特殊な半導体チップ技術を開発する必要はなく、取り立てて大きな技術課題があるわけではない。2018年4月にCLASのサービスがスタートするため、それまでに実証などを行い、サービススタート時には、信頼性や品質などを確保した製品として仕上げ提供できるようにする」とした。
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