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EUV光源で「世界最高水準」の発光効率5%を実現さらなる微細化の実現へ

ギガフォトンは、開発中の極端紫外線(EUV)スキャナー用レーザー生成プラズマ(LPP)光源における、半導体量産ラインでの稼働を想定したパイロット光源が完成し、出力105Wの安全運転と、発光効率5%を実現した。最先端半導体製造ラインの実現に向けて大きく前進したという。

» 2016年10月24日 09時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

デューティー比95%

 ギガフォトンは2016年10月、開発中の極端紫外線(EUV)スキャナー用レーザー生成プラズマ(LPP)光源における、半導体量産ラインでの稼働を想定したパイロット光源*)が完成し、出力105Wの安全運転と、「世界最高水準」である発光効率5%を実現したと発表した。

*)パイロット光源:ギガフォトンがEUVリソグラフィ量産工場対応仕様で設計した光源である。

 同社はこれまで、20μm以下の微小ドロッブレットの供給技術、固体レーザーによる改良型プリパルスと高周波放電励起式三軸直交型CO2レーザー増幅器による高光品位メインパルスレーザーの組み合わせ、エネルギー制御技術の改善、独自の技術である磁場を使ったデブリ除去技術を開発してきた。2016年7月は、プロトタイプ機において、最低130Wの出力で119時間の連続運転にも成功したと発表している。

 今回のパイロット光源は、EUVスキャナーに組み込むことを前提として設計したシステムに、上記の技術を組みこんだものである。プロトタイプ光源よりも高いデューティー比95%で、出力105Wの安全運転、発光効率5%に成功した。これは、半導体生産のスループットを決定する平均出力100Wに相当し、現時点でユーザーの要求を上回る性能という。同社は、「最先端半導体ラインの実現に向けて大きく近づいた証」と語る。

出力105Wの安全運転 出典:NEDO

 同社副社長兼CTO(最高技術責任者)の溝口計氏は、今回の発表に対して「高出力、低ランニングコストでの安定稼働可能なEUV光源が、市場導入間近であること示している。当社の技術力は、次世代露光技術としてEUVスキャナーの開発を加速させるとともに、半導体産業の発展に寄与し、IoT社会の実現に貢献すると確信している」と述べている。

 なお、今回の研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」における成果を活用しているとした。

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