ペリフェラルも、各種アナログ、インタフェースに対応する他、倍精度FPUやChrom-ART、JPEGコーデックなど多彩なアクセラレーターを搭載した。中でもセキュリティ関連ペリフェラル/機能を特に強化し、性能とともにSTM32H7シリーズの特長として位置付ける。
暗号化アクセラレーターの搭載の他、新たなセキュリティ管理サービスを実現する「暗号鍵ストレージのプロビジョニング機能」を盛り込んだ。同機能は、STM32H7シリーズ搭載機器の開発製造時から出荷後に至るまで、堅固にソフトウェアを守ることのできるサービスを実現する機能。STM32H7シリーズはハードウェアでの秘密鍵を有し、その秘密鍵を用いることで、製造委託先パートナーにもソフトウェアコードを開示することなく、STM32H7シリーズへのソフトウェア実装が行えるなどする。
STM32H7シリーズの第1弾製品群は、6種類のパッケージがあり、現在サンプル出荷中で、量産は2017年4〜6月を予定している。サンプル価格は、フラッシュメモリ容量1Mバイト、SRAM容量1MバイトのLQPF100パッケージ品(型番:STM32H743VGT6)で約8.17米ドルとなっている。
STM32H7シリーズの製品化により、STマイクロが提供するCortex-Mシリーズ搭載マイコンファミリーであるSTM32ファミリーの製品シリーズ数は10に達した。STマイクロはこれまで、新たなCortex-MシリーズのCPUコアがリリースされる度に、STM32ファミリーの新シリーズを投入し、車載用マイコンを除く汎用マイコン市場で急速にシェアを高めてきた経緯を持つ。このほど、ARMは、Cortex-Mシリーズの新世代コアとして「ARM Cortex-M23/M33」を発表。オテリ氏は、「Cortex-M23/M33を搭載したマイコンも(競合に先駆けて市場に)早く出せるだろう」とし、製品化を予定していることを示唆した。
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