NECは、地磁気の情報を活用し、建物内にいる人の位置を高い精度で測定できる技術を開発した。他の技術と組み合わせ、ヒアラブル機器(イヤホン型端末)向けプラットフォームとして提供する。
NECは2016年10月、地磁気の情報を活用することで、建物内にいる人の位置を高い精度で測定できる技術を開発したと発表した。他の耳音響認証技術やモーションセンサー技術などと組み合わせ、ヒアラブル機器(イヤホン型端末)向けプラットフォームとして、2017年度中の事業化を目指す。
建物などの構造物では、骨組みなどに鉄鋼製の部材を用いていることもあり、内部までGPS信号が届きにくく、そのままでは人の位置を正確に測定することが難しかった。追加でビーコンや無線LANなどを応用したシステムを構築する場合には、設置コストなどが課題となっていた。
今回NECが開発した技術は、地磁気センサーやモーションセンサーが内蔵された端末を身に着けた人の位置を、高い精度で検出する仕組みである。具体的には、ディープラーニングを活用して、事前の屋内調査で得られた位置や地磁気の情報から、各フロアの地磁気特徴データを抽出する。このデータに基づいて、屋内にいる人が所持しているセンサーで得られた地磁気情報から位置の測位を行う。その誤差精度は最大2mだという。
このシステムを応用することで、ビーコンや無線LAN機器などを新たに設置する必要がない。このため、位置検出のための追加投資など、設備コストを低減できるとした。
NECは、今回開発した技術を耳音響認証技術やモーションセンサー技術などと組み合わせ、ヒアラブル機器向けプラットフォームとして、事業化に乗り出す考えである。さらに、5G(第5世代移動通信)や他のIoTサービスとの連携も検討していく。
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