中国のXiaomi(シャオミ)は、スマートフォン以外の分野にも触手を伸ばし始めている。その一例がドライブレコーダー(ドラレコ)だ。同製品を分解したところ、使われているプロセッサは米Ambarella製で、パッケージだけカスタマイズしているように見えたのだったが……。
2016年、その勢いに若干の陰りが出た中国Xiaomi(シャオミ)だが、スマートフォン以外の分野にも触手を伸ばしている。アクションカメラやリストバンド型のウェアラブル機器、ネットワークルーターなどである。
アクションカメラは「Xiaomi Yi Camera」という名称で日本でも入手可能だ。「中華GoPro」とか「価格5分の1アクションカム」などと呼ばれている。「Xiaomi Yi」は”シャオミー・イー”と読むらしい。
そんなXiaomiのYi Cameraが、図1のようにドライブレコーダー分野にも進出し始めている。型名は「Xiaomi Yi Camera」に1文字加わった「Xiaomi Yi Car Camera」になっている。ネーミングには何のひねりもないのだが、「Car」の文字が加わっているということで、車載用途に合わせたセットで販売されている。
この車載セットには、シガーソケットからの給電が可能になるアダプター、カメラ本体をダッシュボード、ルームミラー脇に設置するためのホルダーが含まれる。ドライブレコーダーとしては、オールインワンのパッケージ内容となっており、購入後すぐに設置と稼働が可能だ(台湾製のドライブレコーダーとほぼ同じ)。また、このドライブレコーダーにはADAS(先進運転支援システム)機能として、
などの機能が備わっている。
内部は中国、台湾製のチップや部品で構成されている。中国GigaDevice Semiconductorのメモリや台湾RealtekのWi-Fiチップ、MediaTek(元Ricktek)のDC-DCコンバーターなどだ。図2は、分解の様子である。内部にはカメラユニット(レンズとCMOSセンサー)、信号処理基板と各種インタフェース(USBやSDカードスロット)があるだけだ。
大抵の場合、安価なアクションカメラとドライブレコーダー、監視カメラの構造はほぼ共通だ。モーターなどを有した機構がなく、レンズ、CMOSセンサー、カメラプロセッサだけで構成されている。
2016年、当社(テカナリエ)は数多くのADAS機能付きのドライブレコーダーを分解した。その多くには米Ambarellaのプロセッサが活用されている。具体的には、「A7」「A7L」「A9」「A12」などだ。これらのチップは、アクションカメラの“本家”と言っても過言ではない、GoProの「HERO」にも採用されており、アクションカメラ、監視カメラ、ドライブレコーダーの「隠れたコモディティチップ」になっている。特に2016年は、最新チップの1つであるA12が売りとなっており、A12を搭載したドライブレコーダーが中国などからも続々と販売されている。
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