中国のファウンドリーであるSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)は、12インチウエハー対応半導体工場を中国・深センに建設すると発表した。2017年末の稼働を予定する。
中国最大の半導体受託製造専門企業(ファウンドリー)であるSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)は、香港に近い深セン市にある既存の施設に、華南地域(中国南部)で初となる12インチウエハー対応半導体前工程工場の建設計画を進めていることを明らかにした。
同社はプレスリリースの中で、「成熟した技術と既存の製造設備を活用して新しい工場を建設し、IoTチップの需要に対応したい」と述べている。同工場は、2016年末に着工し、2017年末に生産を開始する計画だという。
SMICのチェアマンを務めるZixue Zhou氏は、「深セン市は、中国最大の電子情報産業地域だ。新しい12インチ製造ラインの稼働によって、生産能力をさらに高め、顧客により良いサービスを提供し、深セン市のICエコシステムの構築を促進したい」と述べている。
SMICは、成長の著しい市場で需要を狙っている。中国の半導体産業の売上高成長率はここ数年、同国におけるチップ消費の成長率および世界的な市場成長率を上回っている。英国の経営コンサルタントであるPricewaterhouseCoopers(PwC)のレポートによると、中国の半導体産業の売上高は2014年に前年比17.5%増となる773億米ドルを記録している。中国の半導体産業は、2004年から2014年の10年間の年平均成長率(CAGR)が20.5%だった。これに対し、中国でのチップ消費の成長率は16.7%で、世界半導体市場の成長率は4.7%だった。
中国政府は、国内の半導体産業を強化し、半導体製品の輸入依存度を減らすために、半導体メーカーに対して助成金などの支援を提供している。
中国は北京と上海、大連、武漢で5つの12インチ対応半導体工場を稼働している。そのうち2つはSMICの工場だ。さらに、上海と厦門にそれぞれ、現在建設中と量産の準備中の12インチ対応工場がある。
SMICの新しい工場の生産能力は、12インチウエハー換算で月産4万枚だという。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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