オムロンは、「スマートビルディングEXPO」(2016年12月14〜16日/東京ビッグサイト)で、画像型人感センサーなどを展示した。人の位置と数を高精度に検出するので、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に貢献できるとオムロンは説明する。
オムロンは、2016年12月14〜16日に東京ビッグサイトで開催されている「スマートビルディングEXPO」で、同年12月に発表した画像型人感センサー「HVC-F」などを展示した。人の位置と数を高精度に検出することができるという。
同センサーは、内蔵しているイメージセンサーによって得た画像データを同社独自の画像センシング技術「OKAO Vision」により、人の数と位置を検出する。1個当たり7.2×7.2mの範囲まで検出可能で、最大5mの高さから検知できる。
OKAO Visionは同社が20年にわたって開発を続けた技術で、顔や人の位置推定だけでなく、顔の器官や動きの検出、ペットの動きなどの複数の機能を持つ。2016年9月に行った取材では「その特長は小型、高速、高性能の3つ。組み込み用途で活用されており、メモリでの処理が可能だ。IoT時代の主流の1つになるだろう」とコメントしている。
これまでにHVCシリーズとしては、組み込み機器に取り付けて人の状態を認識する画像センサー「HVC-P2」や、“家族目線”を掲げたコンシューマー向け製品「HVC-C2W」などを発表した(関連記事:オムロン、画像認識の“オープン化”で広がる可能性)。
今回HVC-Fを開発した理由について、担当者は「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)」の実現が政府の目標として設定され、オフィスビルなどで省エネ対策の強化が求められている。当社のOKAO Visionが、ZEBの実現に貢献できると考えた」と語る。
例えば、ビルの自動照明は人の存在を赤外線センサーで把握し、照明のスイッチを切り替えている。ここで「HVC-F」を用いることで、人の数と位置情報を基に、室内状況に合わせた最適な制御を行なうことで、省エネにつながるとする。他にも「会議予約システムとの連携や、工場の生産性向上ツールでの利用を検討中」(担当者)と語った。
HVC-Fは、イーサネット用ケーブルでデータと電力を供給するPoE(Power over Ethernet)を活用。消費電力は動作時が4W、待機時が2Wだ。2017年4月の販開始売を予定している。プライバシー保護のため、撮影した人物を特定する機能はないとした。
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