センチ単位で位置検出、日本無線がGNSSチップ:自動運転システム向け
日本無線は、センチメートル級の精度で位置検出が可能な全地球航法衛星システム(GNSS)チップ「JG11」の開発を始めた。自動運転システムなどの用途に向ける。
準天頂衛星L6信号とマルチ衛星システムにワンチップで対応するJG11の外観
日本無線は2017年1月、自動運転システムに向けた全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)チップ「JG11」の開発を始めたと発表した。このICは、1個で準天頂衛星L6信号とマルチ衛星システムに対応することができ、センチメートル級の精度で位置検出が可能となる。
JG11は、2018年4月よりサービス開始が予定されている準天頂衛星システムが配信する「センチメーター級測位補強信号」に対応したIC。L6信号と複数の衛星信号を受信して処理するための機能をワンチップに集積することで高精度な測位が可能となる。
従来システムに用いられているGNSS受信機は測位精度が数メートル単位であり、これに比べると、より高精度な位置検出が可能となる。測位精度の向上により、車両は衛星測位のみでも走行中のレーン判別が可能となり、車両位置を高い精度で推定しながら自動運転することも可能になるという。
高精度測位技術を応用した主な事例 (クリックで拡大) 出典:日本無線
海外の準天頂衛星サービスエリア外では、通信ネットワークによる外部の補正データ(RTCM:Radio Technical Commission for Maritime Services)を活用したRTK測位で、センチメートル級精度を実現することができる。
この他、GPS L1C/AとL2Cの2周波を用いた測位機能による測位精度の向上と測位までの初期収束時間の短縮、トンネルや都市部走行時に有用なデッドレコニング機能への対応といった特長を持つ。もちろん、車載用電子部品の品質管理規格である「AEC-Q100」にも対応する。サンプル製品の出荷は2018年秋を予定している。
- 2018年に誤差数センチの車用測位チップ実現へ
u-blox(ユーブロックス)は2016年9月30日、三菱電機と共同で、測位誤差数センチを実現する準天頂衛星システムによる「センチメータ級測位補強サービス」対応受信チップを開発すると発表した。2018年に自動車向け製品として実用化する。
- 衛星信号だけで誤差cmの測位を実現するデコーダー
2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。コアのブースでは、同社のエンベデッド技術を生かしたソリューションを「育む」「研ぎすます」「繋ぐ」のゾーンに分けて展示するという。
- 誤差わずか数センチ! 高精度測位モジュール
u-bloxは2016年2月16日、誤差数センチ程度の高精度測位を実現するGNSS(衛星測位システム)レシーバーモジュールを発表した。
- ソニー製チップの採用でFD-SOIへの関心高まる?
28nm FD-SOIプロセスを採用したソニーのGPSチップが、中国のスマートウォッチに搭載された。FD-SOIプロセスに対する関心が高まる可能性がある。
- 40GHz帯/60GHz帯協調による無線網の実証に成功
ソニーやKDDI研究所などは2016年2月29日、40GHz帯と60GHz帯を協調させた次世代高速ワイヤレスアクセスネットワーク構築し、実証に成功したと発表した。
- u-bloxが独自LSI搭載のLTE Cat1モジュール発表
u-bloxは2016年11月、自社で開発製造するベースバンド/RF LSIを搭載した通信モジュール「LARA-R3121」を発表した。IoT(モノのインターネット)機器などに向けたLTE規格「LTE Cat1」に対応した。
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