IC Insightsは、2016年の半導体業界における研究開発費メーカー別ランキングを発表した。
米国の市場調査会社IC Insightsは2017年2月、2016年の半導体業界における研究開発費メーカー別ランキングを発表した。それによると、Intelが前年比5%増の127億米ドルでダントツの1位となっている。127億米ドルは上位10社の研究開発費の36%、世界全体の23%を占めている。IC Insightsは「IC技術の開発コストが増加する中で、Intelの売上高に占める研究開発費の割合は、過去20年間で大幅に上昇した」とコメントする。1995年には9.3%、2005年には14.5%だったのに対して、2016年は22.4%になっている。
トップ5社にはIntelに続き、Qualcomm、Broadcom、Samsung Electronics、東芝がランクインした。Qualcommは、2015年に買収したCSRとIkanos Communicationsの研究開発費も含まれているが、前年比7%減の51億米ドルで2位となっている。しかし、売上高に占める研究開発費の割合は33.1%と、上位10社の中で最も高い。
3位は、Avago TechnologiesがBroadcomを買収して誕生した新生Broadcomで前年比4%減となる32億米ドル。4位のSamsung Electronicsは前年比11%増となる29億米ドルだが、売上高に占める研究開発費の割合は6.5%と上位10社の中で最も低い。
メモリ事業を分社化し、過半の株式売却を検討することを発表した東芝*)は、前年比5%減となる28億米ドルで5位だ。3次元構造のNAND型フラッシュメモリの研究開発に大きな投資を行い、2015年の7位から順位を2つ上げた。6位以降は、TSMC、MediaTek、Micron Technology、NXP Semiconductors、SK Hynixがランクインした。
*)関連記事:東芝、メモリ新会社の過半株式を売却へ
2016年の研究開発費総額は、過去最高を記録した2015年から1%増となる565億米ドル。研究開発費の伸び率低下に関して、IC Insightsは「世界の半導体売上高が2015年に1%減少した後、2016年も一桁台の成長にとどまったことが原因」とコメントした。
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