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ニコンとASML、半導体露光装置で特許係争2001年に続き2度目

ニコンは2017年4月24日、半導体露光技術に関して特許の侵害があるとして、ASMLと、ASMLのサプライヤーであるCarl Zeissを提訴した。この発表の直後となる4月28日(オランダ時間)、ASMLは特許侵害を強く否定し、ニコンに対して対抗訴訟を起こすと発表した。

» 2017年05月02日 11時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

ニコンがASMLを提訴

画像はイメージです

 ニコンは2017年4月24日、オランダの半導体露光装置メーカーであるASMLと、ASMLに光学部品を提供するドイツCarl Zeiss SMTに対し、半導体露光装置に関する特許侵害があるとして、提訴した。ニコンはプレスリリースで、「ASMLの露光装置において、ASMLおよびZeissが、ニコンの特許を無断で使用、侵害していることを明らかにしていく」と述べている。

 ニコンはオランダ・ハーグ地方裁判所にてASMLに対し11件の特許侵害訴訟を提起、東京地方裁判所にも提訴した。Carl Zeissに対しては、ドイツ・マンハイム地方裁判所に提訴した。

 ASMLの2016年通期における売上高は、67億9500万ユーロである。その中で、液浸露光装置による売上高は、約76%を占めている(参考資料1参考資料2)。ニコンは、これらの液浸露光装置に同社の特許技術が使われていると主張していて、今後の訴訟においてそれを明らかにしていくとした。

ASMLが対抗訴訟

 これを受けてASMLは2017年4月28日(オランダ時間)、ニコンに対抗訴訟を起こすと発表した。ASMLはプレスリリースで、「ニコンの特許を侵害しているという事実はない」と強く否定している。

 ニコンとASMLによる半導体露光技術での特許係争は、今回が初めてではなく、2001年にさかのぼる。2001年12月、ニコンは、ASMLがニコンの特許を無断で使用しているとして、米国でASMLを提訴した。2004年には包括的な和解に至り、ニコンとASMLおよびCarl Zeissはクロスライセンス契約を締結している。この時のクロスライセンス契約では、出願日が遅い特許のうちの一部は、2009年12月31日までの期間限定ライセンスとした。その期限が終了した後、ニコンは新たなライセンス契約についてASML、Carl Zeissとの合意を試みていたが、交渉は決裂。ニコンは今回の新たな訴訟に踏み切ったとしている。

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