ルネサス エレクトロニクスは、2017年12月期第1四半期(2017年1〜3月)の業績を発表した。2017年2月に買収を完了したIntersilの業績が好調だったこともあり、前年同期比、前四半期比の両方で、増収増益となった。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2017年5月12日、2017年12月期第1四半期(2017年1〜3月)の業績を発表した。
なお、ルネサスは2016年12月期より事業年度の末日を3月31日から12月31日に変更しているが、今回の業績の比較は、分かりやすくするために、「前年同期比」は2016年3月期第4四半期(2016年1〜3月)との比較、「前四半期比」は2016年12月期第3四半期(2016年10〜12月)との比較になっている。
さらに、2017年2月24日に買収が完了したIntersilの業績を連結したものとなっている。過去の業績と比較するため、一部の売上高においては、買収完了以前の分も加算し、「プロフォーマベース」として発表した。
2017年12月期第1四半期の売上高は1776億円で、前年同期(2016年1〜3月)比で5.9%増、前四半期(2016年10〜12月)比で6.7%増となった。このうち半導体売上高は1725億円で、前年同期比で5.7%増、前四半期比で6.9%と、いずれも増加している。ルネサス執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)の柴田英利氏は、全体の売上高、半導体売上高の両方において、前期比、前四半期比のいずれでも5%を超える成長を実現したことを強調した。
営業利益は291億円で、前年同期比で113億円増、前四半期比で63億円増となっている。営業利益率は16.4%で、前年同期比で5.7ポイント増、前四半期比で2.7%増となった。
売上総利益率は45.5%で、前年同期比で3.4ポイント増、前四半期比では−0.1ポイントといなっている。3.4ポイント増加した要因について柴田氏は、売上高の増加と、もともと約60%と高い売上総利益率を実現していたIntersilが連結したことによると説明する。
半導体売上高については、プロフォーマベースでは売上高が1822億円で、前年同期比で2.3%増となっている。内訳は自動車向けが859億円、汎用が790億円、その他が8億円で、Intersilが165億円。
自動車では、カーナビゲーション向けが低調だったことを受けて、車載情報向けが減収となる一方で、車載制御のニーズは高かったことから、全体としては前四半期比、前年同期比ともに増収となった。Intersilでは、産業およびインフラ関連、特に航空宇宙機器向けが好調で、売上高が前年同期比で10.3%増加した。
柴田氏は、半導体売上高が増加した要因について、「車載に限らず、広範囲にわたり半導体へのニーズが高くなっている。ADAS(先進運転支援システム)やIoT(モノのインターネット)などでセンサーが普及していることから、(システムに)より多くの半導体が使われる傾向にある」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.