2017年12月期第2四半期(4〜6月)の業績予想も発表した。売上高は1921億円で、前年同期(2016年4〜6月)比で26.4%、前四半期比で8.1%の増加を見込んでいる。半導体売上高は1887億円と予想。前年同期比で27.9%増、プロフォーマベースでは同16.5%増を見込んでいる。
ルネサスの2016年4〜6月期(2016年12月期第1四半期)は、2016年4月に発生した熊本地震の影響により、売上高が前年同期比で−15.2%と大きく減少した時期だった(関連記事:ルネサス4〜6月期、減収も増益に踏みとどまる)。「そのため、前年同期比で26.4%増という大幅な増加を見込んでいるのか」という質問に対し、柴田氏は、「震災の影響が大きな部分を占めているのも事実である。ただし、それを除いても、自動車や産業機器向けで旺盛なニーズがあると見込んでおり、そのため対ドル、対ユーロでやや円高の設定で業績を予想しているにもかかわらず、高い水準で成長するとみている」(柴田氏)
ここ数年、半導体市場では、NXP Semiconductors(NXP)によるFreescale Semiconductorの買収など大規模なM&Aが続き、車載半導体やマイコンの売上高ランキングでは、上位にランクインする“顔ぶれ”や順位の変動が目立っている。IC Insightsが2017年4月に発表した2016年のマイコン市場売上高ランキングでは、NXPがルネサスを抜いて首位に立った。
こうした状況に対し柴田氏は、「商談ベースで見ても、欧州や米国の顧客から相談を受けるという状況が続いている。これが、他社のM&Aによる影響なのかは定かではないが、少なくともマイコンについては、当社にとって向かい風ではなく、むしろ追い風が吹いていると感じている」との見解を述べた。
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