米州裁、東芝によるWDへの情報遮断禁止期間を延長:WDが予備的差止命令を取得
カリフォルニア州上級裁判所は、東芝がWestern Digital(ウエスタンデジタル/WD)に対して実施してきた情報遮断措置を禁止する予備的差止命令を発令した。
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カリフォルニア州上級裁判所(「本裁判所」)は2017年8月14日(米国時間)、東芝による特定の従業員に対する共有データベースへのアクセスを遮断する措置や、特定のエンジニアリングウエハーおよびサンプルの送付を拒否する措置を講じてはならないとする、予備的差止命令を発令した。Western Digital(ウエスタンデジタル/WD)が2017年8月15日に発表した。
カリフォルニア州上級裁判所は2017年7月11日(米国時間)、東芝が同年6月28日からWDに対して実施していた、フラッシュメモリ合弁事業の共有データベースへのアクセスを遮断する措置を、暫定的に禁止する命令を発令している(関連記事:「米州裁、東芝によるWDへの情報遮断を一時禁止」)。
今回の決定は、上記の暫定的禁止命令で規定された遮断措置における禁止範囲を明確にするものとなっている。具体的には、WDの子会社であるSanDisk(サンディスク)とその関連会社からの申し立てに沿って、東芝が、共有データベース上にある合弁事業関連の情報を遮断することを禁じている。ここでいう「情報」には、2017年6月28日以降に作成された情報も含まれている。
WDは今回の決定についてリリースで、「当社が引き続きイノベーションを推進し、最先端の技術を顧客へ提供すべく、当社の合弁事業のパートナーとともに生産的に活動し続けることができるようにするもの」だとコメントした。
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