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ソフトウェアでもトレーサビリティの確保目指すシノプシスの取り組み(3/3 ページ)

» 2017年09月19日 15時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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「責任の所在」を明らかにする

 IoT機器の台頭により、数年前であれば誰も問題視していなかったようなところからハッキングされる可能性も高まっている。Chan氏は、一例として病院やカジノでのハッキングを挙げた。病院では、点滴のシステムをインターネットによって管理、制御するケースがあり、もしそのシステムがハッキングされたら、点滴の時間や投与する薬剤の量を簡単に変更できてしまう可能性があるのだ。これは生命に関わる問題になる。CNNなどが2017年7月に報じたところによれば、米国ラスベガスのカジノでは、観賞魚の水槽を介してシステムに侵入されるという事件が起こった。この水槽は、インターネットを介して水温をモニタリングしたりエサを投入したりする、“スマート水槽”だった。Chan氏は、こうした脆弱性をなくすためにもソフトウェアのサインオフが必要だと述べる。

 Synopsysが目指すのは、「ソフトウェアについてもトレーサビリティを確保する」ということだ。それはつまり、「ソフトウェア開発の責任の所在を明らかにする」ということでもある。前述した自動車のサプライチェーンからも分かる通り、最終製品に不具合があった場合、ハードウェアについては責任の所在が明確でも、ソフトウェアについてはどこに責任があるのかを見極めるのが難しいのが現状だ。「実際、問題があっても使い続けていることもある」とChan氏は指摘する。トレーサビリティが確保できているハードウェアのサプライチェーンと同じように、ソフトウェアのサプライチェーンについても、メーカーはもっと考慮する必要があると、同氏は強調した。

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