基調講演に続き、Intelプログラマブルソリューションズ事業本部でXeon+FPGAシニアマネジャーを務めるデービッド・マンデイ氏が、「ソフトウェアエンジニアにFPGAを」というテーマで講演。ソフトウェア開発者に向けた、FPGAプログラミングモデルのビジョンとソリューションについてその概要を説明した。
マンデイ氏も冒頭、2020年までに押し寄せる膨大なデータ量に触れた。このためにはデータセンターにおける処理能力を増強する必要があり、コンピューティングの高速化はインテルが取り組むべき領域であることを強調した。しかも、その目的は「処理した結果を単なるデータではなく、情報として提供していくことである」と述べた。
高速なコンピューティングが必要な領域の一例として、「自動運転」「ネットワーキング&5G」「クラウドコンピューティング」を挙げ、それぞれの対応策などについて説明した。これらを可能にするのが、FPGAを用いたヘテロジニアスコンピューティングアーキテクチャであることを繰り返し語った。
しかも、これまでソフトウェア開発を行っていた技術者が、新たなFPGA設計者となる可能性が高いという。こうした技術者の設計業務を支援するため、インテルはFPGAに最適化したライブラリーやコンパイラ、フレームワーク、開発キットなど、包括的なソリューションスタックやエコシステムを用意し、提供している。
さらに、日本アルテラでアクセラレーション&データセンターのビジネスデベロップメントマネジャーを務める山崎大輔氏が、「未来をアクセラレート〜データセンターからIoTまで〜」をテーマに講演した。山崎氏は注目すべき4つの領域として「クラウド」「NFV(Network Function Virtualization)」「人工知能(AI)」「ビッグデータ」を挙げ、これらの領域における高速化について紹介した。
例えばクラウドの領域では、「2017年がFPGAカード実装の元年に当たり、これを利用したサービスが始まった。パブリッククラウドプロバイダーによるFPGAaaS(FPGA as a Service)の幕開けである」と話す。この結果、「ディープラーニングでGPUに比べ5倍の性能が得られた、顔認証はソフトウェアによる処理に比べて10倍も高速、といった報告が相次ぎ発表されている」という。
この他、同講演の中でパートナー企業である「さくらインターネット」や「長瀬産業」「LeapMind」「WASAI」の担当者らによるFPGAソリューションの事例が紹介された。
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