試作された反強誘電体キャパシターの長期信頼性 : 福田昭のストレージ通信(83) 反強誘電体が起爆するDRAM革命(4) (2/2 ページ)
NaMLabやドレスデン工科大学などの共同研究グループは、試作した反強誘電体キャパシターのデータ保持特性も測定した。測定温度は50℃と100℃である。いずれの温度でも、48時間まで測定したところ、目立った劣化は見られなかった。
試作した反強誘電体キャパシターのデータ保持特性。上は測定温度が50℃、下は測定温度が100℃の場合。縦軸は分極電荷量の相対値。横軸は時間(分)。出典:NaMLabおよびドレスデン工科大学(クリックで拡大)
測定結果を外挿したところ、10年間のデータ保持期間が十分に達成可能だとの見通しを得ている。書き換えサイクル寿命の測定結果と併せ、研究室レベルではあるものの、不揮発性RAMとしての可能性が十分にあることを示している。
(次回に続く )
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