矢野経済研究所は2017年10月、リチウムイオン電池(LiB)の主要4部材(正極材、負極材、電解液/電解質、セパレーター)における世界市場(メーカー出荷金額)調査を行い、その結果を発表した。
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―リチウムイオン電池(LiB)用主要4部材(=正極材、負極材、電解液/電解質、セパレーター)の2017年世界市場は、約130億米ドル規模に達する見込み。引き続き、車載用LiBセル向け部材の需要は拡大する。
矢野経済研究所は2017年10月、リチウムイオン電池(LiB)の主要4部材における世界市場(メーカー出荷金額)調査を行い、その結果を発表した。これによると、2016年のLiB用4部材の世界市場は、前年比140.1%の98億7744万9000米ドルとなった。
出荷数量は全ての部材で、車載用途を含む中大型LiBセル向けが、民生小型機器用LiBセル向けを上回った。部材によっては価格の上昇も見られ、市場の成長率は金額ベースが数量ベースを上回る形で推移しているという。
2017年もLiB用主要4部材の市場は好調で、前年に比べて29.6%増の127億9956万3000米ドルを見込む。さらに、2020年の市場規模は、220億8815万7000米ドルと予測する。
国別シェアでは、中国メーカーが存在感を強める。各部材における中国メーカーのシェアは正極材で67.7%、負極材で76.6%、電解液で75.0%と高く、セパレーターでも49.6%を占める。中国市場におけるxEV需要の高まりと、現地部材企業からの調達率向上がその背景にあるという。
これに対し、供給先が自国のLiBセルメーカー向けを中心とする日韓の部材メーカーはシェアを低下させている。日本はセパレーターでシェアアップの動きがあるものの、それ以外は苦戦する。今後は欧州のxEV需要に期待する。韓国は現在、民生小型機器用LiBセル向けの供給比率が高い。今後は車載用LiBセル市場での需要獲得が成長のカギを握るとみている。
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