ON Semiconductor(日本法人=オン・セミコンダクター)は2017年12月5日、東京都内で事業戦略記者説明会を開催した。
ON Semiconductor(日本法人=オン・セミコンダクター)は2017年12月5日、東京都内で事業戦略記者説明会を開催し、自動車向け、IoT向けを中心に事業の拡大を図っていく方針を示した。
ON Semiconductorの2017年売上高見込みは、約54億米ドル(2016年実績39億米ドル)。同社コーポレートストラテジ、マーケティング&ソリューションエンジニアリング担当上席副社長のDavid Somo氏は「Motorolaからスピンオフしてスタートした1999年当時の年間売上高は約12億米ドル。その後、有機的な製品開発による成長とともに、戦略的な買収を繰り返し、約54億米ドルという売り上げ規模に達することができた。設立当初はディスクリート半導体だけを扱う企業だったが、今ではセンサーからRF、MCU、DSPまでの幅広い製品群を持つ企業となった」と語る。最近では2016年9月にFairchild Semiconductorを買収した他、2017年3月にはIBMから車載用ミリ波レーダー技術開発を手掛けるHaifa研究所を取得し、製品群の強化を進めている。
この日、記者向けに行った事業戦略でも、拡充を進めてきた“幅広い製品群”を強みに、市場成長が見込まれるアプリケーション市場の攻略を目指すことを強調した。特にターゲットにするアプリケーション市場として、自動車市場、IoT(モノのインターネット)市場を挙げた。
自動車市場については、「自動走行」「コネクテッド」「電動化」という3つのトレンドをカバーする方針で、「これからの自動車に必要とされるビルディングブロック(構成要素)のうち、マイクロコントローラを除いて全て提供できる」と自信を見せる。自動走行に対しては、「車載向けでは世界シェア首位」と自負するイメージセンサーを核に、このほど取得したミリ波レーダー、超音波センサーを組み合わせたソリューション提案を展開する。電動化に対しても、Fairchildの買収で強化されたMOSFET、IGBTといったパワーデバイスを軸に、包括的なソリューション提案を加速させる方針だ。
IoT市場に向けては、「センサー、コネクティビティ、コントロール、パワーマネジメントとIoTで必要とされる半導体を全て提供できる」とする。その上で、「IoT市場では、ノードからクラウドまで一貫したソリューションが必要とされている。クラウドやソフトウェアを全て自社で提供することは難しい。そこで、パートナーと積極的に連携し、ノードからクラウドまでを一貫したソリューションを用意し提供していく」とした。
日本での事業戦略については、広範なポートフォリオという強みに加え、「外資系半導体メーカーでは他にない規模で、設計、生産、販売の拠点を持つ」(日本法人社長兼本社日本地区セールス担当副社長滝口修氏)という強みを生かした事業拡大を図る方針。
滝口氏は、「日本では特に自動車、インダストリアルFA&ロボット、ブロード&エマージングマーケット、(家電やカメラ、ゲーム機などの)日本の特長的なアプリケーションの4つを柱にして注力する」と語った。
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