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半導体メモリの専門学会「国際メモリワークショップ(IMW)」が日本で開催へ福田昭のストレージ通信(87)

2008〜2017年まで主に米国で開催されてきた「国際メモリワークショップ(IMW)」が、2018年は日本の京都で開催される。今回はIMWの概要を紹介しよう。

» 2017年12月06日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

日本の京都で2018年5月に開催

 半導体メモリを専門とする国際学会「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」が2018年5月13日〜16日に開催される。IMWは2008年から2017年まで主に米国で開催されてきた。それが2018年は初めて、日本が開催地となる。会場は京都の「ウェスティン都ホテル京都」である。

2017年5月に米国カリフォルニア州モントレーで開催された国際メモリワークショップ(IMW)の最終日に、閉会あいさつで発表された次回の予告。この時点では開催会場や投稿日程などは不明だった(クリックで拡大)

 国際メモリワークショップは、1976年に始まった「不揮発性半導体メモリワークショップ(NVSMW:Non-Volatile Semiconductor Memory Workshop)」を源流とする。2008年にNVSMWは、メモリに関する国際学会「メモリの技術と設計に関する国際会議(ICMTD:International Conference on Memory Technology and Design)」と統合し、不揮発性メモリに限定せず、半導体メモリ技術全般をカバーするワークショップとなった。その後は、おおむね毎年5月に米国で開催されてきた。2018年は第10回となる。

半導体メモリ技術をデバイスから回路、システムまでフルカバー

 2017年12月の現時点は、投稿論文の募集期間に当たる。投稿の締め切りは2018年2月1日である。4ページを最大とする論文を1回限りで投稿する。大規模な国際学会では、発表の意思がある研究者は最初に採択合否検討用のアブストラクト(短い論文)を投稿し、採択が決まってからフルペーパー(長い論文)を用意する、という2回の投稿を予定することが多い。IMWでは投稿は1回限りで、締め切りをかなり引きつけている。投稿の締切日から実際の発表日までの期間は3カ月半と短い。速報性を重視していることがうかがえる。

 投稿を受け付けるテーマは全ての半導体メモリ。DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、相変化メモリ、抵抗変化メモリ、磁気メモリ、強誘電体メモリなどのありとあらゆるメモリ技術を対象とする。埋め込みメモリも、もちろん、含まれる。要素技術はデバイス技術、回路技術、信頼性技術、システム技術、誤り訂正技術、ストレージ技術、モデリング技術などで、特に限定していない。

国際メモリワークショップ(IMW)での論文発表および参加に関する主な日程。発表資料を基に筆者がまとめたもの(クリックで拡大)
国際メモリワークショップ(IMW)の開催日程。5月13日がショートコース(別料金の技術講座)、5月14日から16日がテクニカルカンファレンス(技術講演会)である。技術講演会は、口頭講演とポスター発表で構成される(クリックで拡大)

 日本の京都は、外国人には特に人気の高い観光地として知られる。もちろん日本人にとっても人気の高い観光地だ。国際メモリワークショップ(IMW)の参加者には、会場ホテルの宿泊料金が割り引きとなるプランが人数限定で提供される。詳細は後ほど、明らかになる予定だ。

次回に続く

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