IEDM 2017の記者室にVLSIシンポジウムの実行委員会が乱入 : 福田昭のデバイス通信(138) (3/3 ページ)
プレナリセッションの基調講演は、2件が予定されている。1件は先ほど説明したように「人工知能(AI)」に関する講演。具体的には深層学習(ディープラーニング)を高速実行するハードウェア技術に関する講演となる。もう1件は、安全な社会システムを実現するIT(情報通信)技術に関する講演となる予定だ。
プレナリセッションの基調講演。NVIDIAの研究担当シニアバイスプレジデントをつとめるBill Dally氏が講演する。2017年12月4日に開催されたブリーフィングの説明スライドから(クリックで拡大)
プレナリセッションの基調講演。セコムの顧問をつとめる小松崎常夫氏が講演する。2017年12月4日に開催されたブリーフィングの説明スライドから(クリックで拡大)
最後に、VLSI技術シンポジウムの概要もごく簡単に説明された。ショートコースのテーマ(サブ5nmのCMOS技術など)、パネル討論会のテーマ、基調講演のテーマなどが紹介された。
VLSI技術シンポジウムの概要。2017年12月4日に開催されたブリーフィングの説明スライドから(クリックで拡大)
それにしてもなぜ、IEDMのプレスルームでVLSIシンポジウムの説明会が開催されたのだろうか。理由を想像できる事実がある。それは、前回のハワイ開催、すなわち2016年のVLSIシンポジウムを取材に訪れた記者は、1人(すなわち筆者)しかいなかったということだ。
そもそもVLSIシンポジウムの現地取材に訪れるジャーナリストは多くない。それでも京都開催では、プレスルームが設けられるようになってきた。つまり、それなりの人数が現地取材に訪れているということだ。ところが2016年のハワイ開催はたったの1人。それも米国開催なのに、米国人のジャーナリストはゼロである。IEDMのプレスルームには毎年、数多くの米国人ジャーナリストが集まる。カンファレンス初日など、仕事机が足りなくなる時間帯があるほどだ。IEDMプレスルームは、数多くの米国人ジャーナリストにVLSIシンポジウムをアピールできる要所として、活用されたのかもしれない。
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