保護素子を事業の核としているLittelfuseは近年、パワー半導体事業にも注力している。投資や買収によって、SiCパワーデバイスなどのパワー半導体製品のラインアップ拡充を図っている。同社のオートモーティブ・エレクトロニクス担当マーケティングディレクターを務めるCarlos Castro氏が、事業戦略について説明した。
1927年に設立され、保護用高速ヒューズを発明した米Littelfuseは近年、パワー半導体事業にも注力している。同社の日本法人Littelfuseジャパンは2018年3月6日、東京都港区の本社で記者説明会を開催。オートモーティブ・エレクトロニクス担当マーケティングディレクターを務めるCarlos Castro氏が、自動車向けを含めた、同社のパワー半導体事業の戦略などを語った。
Littelfuseは、パワー半導体事業で、工業用駆動装置、ソーラー、自動車、データ通信という4つを重点分野に定める。これらの分野に向けて、イグニションIGBT、SBD(ショットキーバリアダイオード)、サイリスタを提供している。Castro氏は「当社は以前からパワー半導体を扱ってきた。特に産業用とソーラー用のサイリスタでは業界でもトップの地位を築いている」と述べる。
パワー半導体事業の強化の一環として、2015年には、SiCパワー半導体の開発を手掛けるMonolith Semiconductor(以下、Monolith)への投資をきっかけに、SiCパワー半導体市場に参入した。2017年には、Littelfuse初となるSiC製品として、耐圧1200VのSiC-MOSFETと同1200VのSiC-SBDの量産を開始した。なお、投資額は「非公開」(Castro氏)としたが、現在、Monolithの株式の過半数を所有している。
SiCパワー半導体の今後のロードマップとしては、2018年には耐圧900V、1700VのSiC-MOSFETや、耐圧650V、1700VのSiC-SBDの量産を開始する予定となっている。さらに2019年には、SiC-MOSFETとSiC-SBDを搭載したフルSiCモジュールを投入する予定だ。
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