Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、車載システムや産業機器、医療機器などのデータ収集用途に向けた不揮発性メモリの新ファミリーを発表した。データの取りこぼしがなく、書き換え回数など耐久性にも優れている。
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2018年3月15日、新しい不揮発性メモリ製品「Excelon F-RAM(強誘電体メモリ)」を中心としたメモリ事業戦略について、記者説明会を行った。
同社は、2017年に新たな事業方針として「Cypress 3.0」を打ち出した。この方針に基づき、「オートモーティブ」「コンスーマー」「インダストリアル」の3市場にフォーカス、これらのシステム開発に必要となる主要な半導体製品をソリューションとして顧客に提供するための体制を強化している。
同社が用意する半導体製品群は、「ワイヤレス」「ワイヤード」「MCU(マイクロコントローラ)」「RAM」そして「フラッシュメモリ」である。Cypress Semiconductorでセールス&アプリケーションのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるMichael Balow氏は、「フォーカスするそれぞれの市場に対して、セットで提案できる製品を用意している」と話す。
これらの市場で同社がトップシェアを持つ製品も多い。例えば、車載インスツルメントクラスター向けMCUやIoT(モノのインターネット)向けWi-Fi/Bluetoothコンボ製品、USB-CコントローラIC、静電容量式タッチセンサー向けCapSenseソリューションなどである。
同社はメモリ市場でも強みを持つ。DRAMを除く全てのメモリ製品を手掛けているが、中でもSRAMやFRAM、nvRAM市場ではトップシェアを獲得しているという。メモリ製品事業部担当でコーポレートエグゼクティブバイスプレジデントを務めるSam Geha氏は、メモリ事業で注目している用途として、「自動運転に関連する車載システムや、Industry 4.0を視野に入れたFA/制御機器、常時モニタリングを必要とするウェアラブル機器/ヘルスケア機器」などを挙げた。これらはミッションクリティカルなデータロギングが要求される領域である。
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