これらの市場に向けて同社は、新たにExcelon F-RAMファミリーを発表した。既に、車載グレード品の「Excelon Auto」シリーズと、産業機器グレードの「Excelon Ultra」シリーズについてはサンプル品を出荷中である。2018年第4四半期(10〜12月)には、ウルトラローパワー版の「Excelon LP」シリーズについてもサンプル出荷を始める予定となっている。
Excelon Autoシリーズは、記憶容量2〜4Mビット品を用意しており、機能安全基準(ISO 26262)に準拠したAEC-Q100拡張温度オプションで提供する。Excelon Ultraシリーズは、記憶容量4〜8Mビット品を用意した。いずれも動作電源範囲は1.71〜3.6Vと広い。データ保持は100年を保証する。
Excelon F-RAMファミリーの大きな特長の1つは、書き込み時の遅延がないことだ。従来システムで課題となっていた電源障害などによるデータ喪失のリスクを解消することができる。書き換え可能な回数も100兆回を保証するなど信頼性も極めて高い。Geha氏は、「自動運転技術の開発が進み、2030年に向けて実用化されていく。そうした中で衝突事故などが発生した場合、その責任を明確にするためにも、車載イベントレコーダーにはクリティカルなデータロギングが必要となる」と強調した。
Excelon F-RAMファミリーは、競合のFRAM製品と比べてもスタンバイ時や書き込み時の消費電流が極めて小さい。この理由についてGeha氏は、「当社は300mmウエハー対応ラインで130nmプロセスを用いて製造している。競合メーカーは200mmウエハー対応ラインで180nmプロセスを用いて製造している。この差がパフォーマンスに表れている」と話す。同社は95/60nmプロセスを用いたチップシュリンクも検討しているという。
なお、FRAM製品の製造はTexas Instruments(TI)の工場で行い、単体製品をCypress Semiconductorが、MCUなどに組み込んだ製品はTIがそれぞれ販売することになっている。
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