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» 2018年04月19日 15時30分 公開

イメージング、パワー…… これから注目の技術/座談会編3IHSアナリスト「未来展望」(10)(2/4 ページ)

[竹本達哉,EE Times Japan]

自動車領域でのイメージセンサーの可能性

EETJ 自動車でもイメージング技術は重要ですよね。

棚町氏 今後数年内に、暗闇でも人を見分け、衝突を回避しなければならないということをクリアしなければ、ユーロNCAP(欧州新車アセスメントプログラム)で、ファイブスター(最高評価)を取得できなくなる見込みだ。現状のカメラでは、太刀打ちできない状況だ。

李氏 そうした中で、近いうちに、暗闇でも撮影できる近赤外線イメージセンサーで、自動車に搭載できる製品が登場するとみている。

杉山氏 まだまだ近赤外線イメージセンサーは高価なのでは? 近赤外線用レンズも高いと聞いているが……。

李氏 これまでは、センサー、レンズともに化合物を必要とし高価だったが、ソニーなどはフルシリコンで実現しようとしている。ユーロNCAPの規定も追い風になり、開発は加速している。

棚町氏 現状では、レーザーが優勢だが、フルシリコンが実現されれば、近赤外線センサーにパタパタと変わっていきそう。近赤外線イメージセンサーでも、ソニーは優位な立場にあるのではないだろうか?

李氏 車載対応の近赤外線センサーでも、ソニーが競合をリードしているとみている。OmniVision Technologies辺りは、だいぶんと差を縮めているとは思うが、まだまだ追い付いたとは言えない。

 ただ、中国が国策でスマホ用イメージセンサーの製造を立ち上げようとしているので、ソニーのイメージセンサー事業の稼ぎ頭であるスマホ向けでは、危うさをはらんでいる。そういった意味でも、近赤外線イメージセンサーのような、人の目ではできないことができるという付加価値を持つイメージセンサーの開発が重要になってくる。

イメージングと日本

杉山氏 イメージセンサーの進化に合わせて、イメージセンサーで取得した情報を処理するGPUなどの並列処理プロセッサがより重要になる。IntelがMovidiusを買収するなど、さまざまな半導体メーカーがその重要性を理解し、強化を始めている。ただし、日本メーカーではそうした動きが非常に少ない。日本メーカーも、並列処理、画像処理の技術ベースはあるので、ぜひ挑んでほしいと思っているが、現状は少し寂しい……。

 その点、日本のゲーム産業は、このところ復活してきた。ゲームで培った技術をベースにVR(仮想現実)/AR(拡張現実)システムが日本から世界に広がるというようなことに期待したい。

大庭光恵氏

大庭氏 これまで、軍事用途向けに開発された技術が、自動車に転用されてきたように、ゲーム向けの技術が教育や産業、医療、スポーツなどの領域に転用されていくと私も期待している。

李氏 イメージング分野についても、日本にはキヤノンやニコンをはじめとしたイメージング技術を核としたセットメーカーが多くある。レンズやコピー機なども含めたイメージング関連産業が、ここまで整っている国は少ない。“イメージング大国”の日本は良いポジションにあるといえる。

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