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» 2018年04月19日 15時30分 公開

イメージング、パワー…… これから注目の技術/座談会編3IHSアナリスト「未来展望」(10)(3/4 ページ)

[竹本達哉,EE Times Japan]

5Gの普及は?

棚町氏 「目は口ほどにものを言う」という言葉があるが、イメージング技術の応用が広がるとエレクトロニクス業界への恩恵は大きい。音声データやテキストデータが、画像データ、動画データになると、桁違いの大きさになる。まさにデータイーター(=喫食者)だ。

李氏 その通りで、イメージセンサーはシリコンイーターでもあり、通信イーターでもある。

大庭氏 イメージングシステムの応用拡大は、5Gの普及にもつながってくると思う。

EETJ 5Gは、いつ頃から本格普及するのでしょうか。

大庭氏 2018〜2019年はテスト運用として、限定的な形での実用化が始まる。そして、2020年に本格的な普及が始まるとみている。

EETJ 5Gの普及をけん引する地域は、どの辺りになりますか?

大庭氏 米国と中国の2強になるのでは、と考えている。

 米国では既に、小規模ながら実証実験が始まり、リードしている。中国については、商用サービスの開始時期こそ2021年になっているが、HUAWEIなど地元の通信機器メーカーの開発は進んでおり、米国と2強を形成すると思う。

左から杉山和弘氏、南川明氏、李根秀氏

次世代プロセッサの行方

EETJ 画像やAIを処理するための並列プロセッサは、やはりNVIDIAがリードするのでしょうか?

南川氏 現状では、優位な位置のもっとも近くにNVIDIAがいることは間違いない。ただ、Intel、AMD、QualcommにAmazon、Google、Arm、さらにHiSiliconなど中国勢などが並列プロセッサの開発を進めており、これから新しいプロセッサがどんどん登場してくる。今時点で、どこが勝つかを予想することは難しい。ただ、勝敗を決めるのは、消費電力をいかに抑えられるかになるだろう。

棚町氏 自動運転向けのプロセッサを考えた場合に、NVIDIAは、AudiのA8に採用されることから始まり、当初からMobileyeが戦略的に避けてきたMercedes-Benzやトヨタと戦略的提携を行い、Mobileyeの最大の競合相手となり、かなり有力な立場にある。ただ、最近起こったNVIDIAが搭載されたVolvo製のウーバー自動運転車の死亡事故で、NVIDIAは実車試験を全てストップさせる事態となっており、NVIDIAのみならず業界の自動運転車両の開発動向に大きな影響が出始めている。これまでは各国の規制の遅れで自動運転の実現時期が危惧されていたが、今後は事故発生時の対策についても更に議論が活発化していくと考えられる。

南川氏 今後も、NVIDIAは自動車市場で勝ち続けることはできるのだろうか?

杉山氏 私もNVIDIAの製品は量産車に向けたものではなく、市場を立ち上げるけん引役、トリガーの役割を果たす製品だと思う。NVIDIA自身も、量産市場を狙っているわけではないように見える。Mobileyeは、普及車に入っていることもあり、イメージが湧くが、NVIDIAの製品は元々、自動車向けに設計してきたわけではなく、イメージが湧かない。

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