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生体情報と機械学習で長期ストレスを高精度に推定ストレスリスクを早期に発見

従業員の皮膚温度や皮膚電気活動といった生体情報から、長期ストレスのレベルを高精度に推定する技術をNECが開発した。

» 2018年04月09日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

細かな差異を捉える「生体情報特徴量」を考案

 NECは2018年4月、従業員らが身に付けたウェアラブルセンサーで収集した生体情報から、長期ストレスのレベルを、高精度に推定する技術を開発したと発表した。長期ストレスを常に推定、把握することが可能なため、高いストレス状態になることを未然に防止できる。

長期ストレスを段階別に、かつ高精度に推定する技術を開発 出典:NEC

 新たに開発したのは、「生体情報特徴量」の抽出方法である。機械学習を用いて、複雑な関連性を持つ生体情報から、長期ストレスに関するストレス値の差異を表現する。「一時的に大きなストレスを受けた場合、その後はわずかなことでもストレスと感じる」という心理学の知見を活用した。これによって、リストバンド型ウェアラブルセンサーで収集した皮膚温度や皮膚電気活動、加速度などの生体情報から、高い精度で長期ストレスのレベルを推定することが可能となった。

 特に、1カ月にわたって生体情報の特徴に変化がない場合と、その間に大きなストレスを感じて特徴が変化した場合を区別する。長期にわたってその変化を捉えることで、細かな差異を測定することができるという。しかも、高ストレスの兆候も精度よく検出できることが分かった。

 リストバンド型ウェアラブルセンサーを用いて同社従業員の生体情報を収集し、個人の長期ストレス度を推定する実証実験を実施。アンケートによるストレス度調査と比べた結果、平均誤差±3.3と高い精度で長期ストレスを推定できることを確認した。従来手法では高低の2段階しか区別できなかったが、高精度な同技術によって高ストレスの兆候も含めてそのレベルを6段階で区別できるという。

生体情報の時間経過による変化を捉えることで推定精度を向上した例 出典:NEC

 NECは、開発した技術を活用することで、従業員のストレスリスクを早期に発見し、その対策を講じることが可能になるとみている。

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