テクトロニクスは2018年4月17日、タッチスクリーンインタフェースを備えた新しい6.5桁対応デジタルマルチメーター(DMM)の新製品「DMM6500型」を発表した。同時に、DMM6500型の機能にデータ収集機能を追加したデータロガー「DAQ6510型」もリリースした。いずれも、ケースレーブランドで展開する。
「6.5桁デジタルマルチメーター(以下、DMM)の現行機種で、市場で高い評価を得てきた『ケースレー2000シリーズ』と比べても、大きなインパクトのあるDMMに仕上がった」(テクトロニクス第3営業統括部統括部長 木下伸二氏)
Tektronixの日本法人であるテクトロニクスは2018年4月17日、6.5桁表示対応のDMM製品「DMM6500型」を発表した。「DMMのボリュームゾーン」(同社)という販売数量が見込める6.5桁DMMの新世代製品。従来の6.5桁DMM製品(2000シリーズ)と同等の価格設定ながら、新たにタッチパネルインタフェース、波形取り込み用のデジタイザーを搭載した他、各種基本性能を向上させた。
テクトロニクスは2015年にタッチパネルインタフェース、デジタイザーを搭載した7.5桁表示対応のハイエンドDMM「DMM7510型」を発売(関連記事:オシロとDMMのギャップを解消! 波形表示ができる7.5桁マルチメーター)。今回のDMM6500型は、DMM7510型の6.5桁版といえ、DMM7510型同様の特長を備える。
デジタイザーとして、サンプリング速度1Mサンプリング/秒の16ビットデジタイザーを搭載し、さまざまな測定結果を波形表示が可能。キャパシタンス、電圧、電流、温度(熱電対、サーミスター、測温抵抗体[RTD])など15種類の測定に対応する。また、5型のタッチパネルスクリーンで直感的に操作できる。例えば、スワイプ操作で、メニュー表示やグラフ表示など簡単に表示内容を切り替えられる。グラフ表示では、ピッチ操作で波形の拡大操作が行える他、タッチ操作で任意の範囲を指定し、範囲内の平均値が自動的に求められ表示されるといった機能なども備える。
また基本性能についても「クラス最高レベルの測定感度」(同社)とし、従来機種の2000シリーズから大幅に向上させた。2000シリーズでは10nAだったDC電流最小分解能は10pAになり、抵抗最小分解能も0.1mΩから1μΩへと大きく改善している。同社は「バッテリー駆動デバイスでは、スリープモードの消費電流が数百ナノアンペアと微小になり、低電流の測定能力が求められている。Bluetooth Low Energyなど無線デバイスの複雑な負荷電流波形のキャプチャも必要になっている。これまでこうした測定にはオシロスコープが使用されてきたが感度が不足し、測定が難しくなっている。こうしたニーズに応えるのが、DMM6500型」とする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.