VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は2018年5月15日、東京都内で記者説明会を開催し、コンプライアンス・プログラム・マネージャのJim Choate(ジム・チョート)氏が、2018年4月に公表されたばかりの、DisplayPortの最新バージョン「DisplayPort 1.4a」などについて説明した。
VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は2018年5月15日、東京都内で記者説明会を開催し、コンプライアンス・プログラム・マネージャのJim Choate(ジム・チョート)氏が、2018年4月に公表されたばかりの、DisplayPortの最新バージョン「DisplayPort 1.4a」などについて説明した。
2016年に、4K/8KおよびHDR(High Dynamic Range)映像の伝送が可能になったDisplayPort 1.4が発表されているが、DisplayPort 1.4aは、DisplayPort 1.4の機能について強化、改善を図ったものになる。具体的には、1レーン当たり8.1Gビット/秒(bps)を実現する「HBR(High Bit Rate)3*)」への対応が保証されたDisplayPortケーブル「DP8K サーティファイド DisplayPortケーブル」の仕様を導入したほか、データの圧縮技術である「DSC(Display Stream Compression)」やエラー訂正技術「FEC(Forward Error Correction」、1つの端子から複数のDisplayPort搭載ディスプレイに接続できる「MST(Multi-Stream Transport)」といった機能を強化している。
DisplayPort 1.4aは、第三者検証・認証機関であるアリオンが2017年より早期認証プログラムを始めている。Choate氏によれば、既に12の製品が、認証されて市場に投入されているという。
Choate氏はDisplayPortの搭載実績が、PCやモバイル、ゲーム、自動車、プロジェクターなどの分野で順調に増加していると述べる。Strategy Analyticsの調査によれば、2016〜2021年のスマートフォン世界市場の年平均成長率(CAGR)は3%だが、DisplayPortを搭載したスマートフォンの同期間におけるCAGRは113%が見込まれるという。
Choate氏は、普及を加速する要因の1つとしてUSB Type-Cを挙げた。「USB Type-CコネクターでDisplayPortを利用できる拡張規格『DisplayPort Alternate Mode』は、特にモバイル機器メーカーによって魅力的な機能だ。VESAの会員増をけん引している要因でもある」(同氏)
VESAは、次世代のDisplayPortの規格策定にも取り組んでいる。次世代バージョンでは、プロトコルオーバーヘッドの低減や、1レーン当たりの転送速度をDisplay Port 1.4の2倍以上にすることなどを目指しているという。
この他、業界のトレンドに沿って、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)のタスクグループや自動車向けのタスクグループを設けて、それぞれの分野での要件に合うDisplayPortの仕様策定も進めている。
記者説明会では、DisplayPortコンプライアンスプログラムの認証試験機関であるアリオンが、HDR対応DisplayPortからHDMI 2.0に変換するコンバーターチップの評価をデモしていた。
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