太陽誘電、メタル系パワーインダクターに新タイプ追加:さらなる大電流化と低直流抵抗
太陽誘電は、メタル巻線チップパワーインダクター「MCOIL ME」シリーズとして、さらなる大電流化と低直流抵抗を実現した「Hタイプ」を追加した。
MCOIL MEシリーズHタイプの外観
太陽誘電は2018年7月、メタル巻線チップパワーインダクター「MCOIL ME」シリーズとして、さらなる大電流化と低直流抵抗を実現した「Hタイプ」を追加した。高機能化や多機能化が進むスマートフォンなどの電源回路向けチョークコイル用途に向ける。
同社のMCOIL MEシリーズは、直流重畳特性に優れた金属系磁性材料を用いたパワーインダクター。新開発のHタイプ「MEKK2016H」は、従来製品に比べて特性をさらに高めた。例えば、「MEKK2016HR47M」の直流重畳許容電流値は最大5.3Aで、直流抵抗は最大26mΩとした。インダクタンスは0.47μHである。従来製品の「MEKK2016TR47M」に比べて、直流重畳許容電流値で18%も向上し、直流抵抗は13%の低減となる。
HタイプとしてはMEKK2016HR47Mの他、インダクタンスが1.0μHで、直流重畳許容電流値が最大4.0A、直流抵抗が最大48mΩの「MEKK2016H1R0M」、インダクタンスが2.2μHで、直流重畳許容電流値が最大2.3A、直流抵抗が最大100mΩの「MEKK2016H2R2M」を用意している。
MEKK2016Hの外形寸法は2.0×1.6×1.0mm。サンプル価格は50円。新製品は2018年7月より、子会社の福島太陽誘電で量産を始める。
- エルナー買収の太陽誘電、さらに投資拡大へ
太陽誘電は2018年5月11日、東京都内で決算説明会を開催し、2018年3月期通期決算および、2021年3月期までの中期経営計画の内容を紹介した。好調なコンデンサー事業のさらなる成長を狙い、今後3年間で1500億円規模の投資を実行するという。
- 厚み0.09mmの極薄MLCCを製品化 ――太陽誘電
太陽誘電は、厚みが0.09mmと極めて薄い積層セラミックコンデンサーを商品化した。同社従来製品に比べて約18%も薄い。
- 電源モジュールを小型、高効率化するパッケージ技術
太陽誘電は「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」(2018年4月18〜20日、幕張メッセ)で、パッケージ技術「Power Overlay(POL)」を紹介した。
- 次世代パッケージ技術のサンプル試作を開始
太陽誘電とFLEXCEEDは、パワーデバイス向けのワイヤーボンドレスパッケージ技術「Power Overlay(POL)」を用いた製品の事業化を加速するため、POL製品のサンプル試作対応を始めた。
- 車載用パワーインダクター、最大150℃に対応
太陽誘電は、車載機器向けSMDパワーインダクター「EST1060」のサンプル出荷を始めた。車載用電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応している。また、製品ごとに生産プロセスの情報がQRコードで印字されている。
- 優れたアナログ技術が、高度なIoT社会を支える
高度なIoT(モノのインターネット)社会を実現するために欠かせないのが、優れたアナログ技術である。「アナログ・グル」と呼ばれるアナログ回路技術者が、難しい課題を解決するための技術などについて語った。
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