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次世代車の乗車体験向上に、人の感情を読み解く車載AI感情、眠気、顔の向きなどを測定

シーエーシー(CAC)は2018年8月1日、自動車の運転者や同乗者の感情をリアルタイムで分析するソリューション「Automotive AI」を、同日より提供すると発表した。

» 2018年08月03日 13時30分 公開
[松本貴志EE Times Japan]

 シーエーシー(CAC)は2018年8月1日、自動車の運転者や同乗者の感情をリアルタイムで分析するソリューション「Automotive AI」を、同日より提供すると発表した。

 同ソリューションは、米ベンチャー企業のAffectivaが開発。車内に搭載したカメラやマイクによって乗員の表情データや音声データをセンシングし、それらを基にディープラーニングによる感情分析を行う。

運転者の表情分析イメージ(クリックで拡大) 出典:シーエーシー

外部接続なしで分析が可能

 Automotive AIは、自動車での利用に最適化された感情認識AI(人工知能)として開発され、「自動車の新たな乗車体験を実現する技術」(シーエーシー)だとする。喜び、怒り、驚き、Valence(肯定的表情/否定的表情)といった4つの感情値や、笑顔、眉を上げる、眉間にしわを寄せるなど8つの表情値、3つの眠気に関する指標、顔の向きや角度、3つの音声感情を指標としてマルチモーダルな分析を行う。

Automotive AIの分析指標(クリックで拡大) 出典:シーエーシー

 そのため、眠気や注意力低下など運転者の複雑な状態を特定することができ、頭部位置や視線測定に依存する従来システムと比較して、事故を予防できる可能性が高まるという。また、自動運転の商用利用にも効果が見込めるとする。

 また、同ソリューションは動作に外部ネットワーク接続を必要とせず、車載システムで完結したローカル処理モードで使用できることが特長。必要環境として、クアッドコアArm64プロセッサ(2.15GHz)もしくはデュアルコアx86プロセッサ(2.3GHz)、350Mバイトのメモリを挙げており、Ubuntu Linux 16.04上で動作する。可視光、近赤外線カメラの両方が利用可能なため、逆光や暗闇でも運転者の表情を正しく検知できるとする。

 ディープラーニングを活用しているため、人間の表情データを収集、解析することで、識別の精度が向上する。開発元のAffectivaは、DAIMLERやBMWといったOEM(自動車メーカー)や、IntelやNVIDIAといった半導体メーカーなどと協力して開発を進めているとしている。

 同ソリューションは今後、自家用車への搭載だけでなく、電車やバス、タクシーなど公共交通機関の運転者を対象としたソリューションとしても利用できるよう展開する方針だ。

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