高速ネットワークの分野では、SamsungとIntelがそれぞれ、5GとLTEの両方に対応するトランシーバーについて発表する予定だ。
Samsungは、14nmプロセスを適用した、面積が38.4mm2のチップについて詳細を明らかにする。2G/3G/LTEに対応し、スタンドアロン(SA)/ノンスタンドアロン(NSA)の5Gをサポート可能だという。14個のレシーバーと2つの伝送パスを使用して、最大で下り3.15Gビット/秒(bps)、上り1.27Gbpsの通信速度を実現する。
Samsungは関連論文の中で、6GHz帯以下を使う5Gネットワークに向けたモジュレーターについて発表するという。エンベロープトラッキング向けに100MHz帯域幅をサポートし、効率は88%を実現する。また、立ち上がり90ナノ秒/V、立ち下がり110ナノ秒/Vの能力を持つミリ波トランシーバー向けの電力管理ICについても説明する予定だ。
これらは、Samsungの5Gチップセット「Exynos Modem 5100」の一部で、6GHz未満とミリ波の両方のネットワークをサポートするという。同社はこのExynos Modem 5100を、ISSCCのデモイベントにおいて披露する予定だ。このことからも、Samsungが、5G市場のリーダーであるQualcommに対し、脅威的なライバルになることを目指していると分かる。
SamsungだけでなくIntelも、6GHz帯以下に対応するゼロIF(ZIF)と、ミリ波帯向けの10.556GHz IFに向けた、28nmプロセス適用の4G/5Gトランシーバーを発表する予定だ。MIMO向けにM-PHY HS-Gear3インタフェースを搭載し、キャリアアグリゲーションで最大800MHzの帯域幅をサポートする。これは、Intelが2018年11月初めに発表した、5Gチップセットの一部である。
有線ネットワークも、その勢いを拡大している。HuaweiとeSilicon、MediaTek、IBMは、7nmプロセス適用デバイスを発表する予定だ。最大データ転送速度が128Gbpsで、通常はPAM-4変調を使用する。このPAM-4変調については数年前、実用化が可能かどうかをめぐり、活発な討論が繰り広げられた。
東芝は、データ時代のストレージに対するニーズに対応すべく、4ビット/セル(QLC)技術を適用した、1.33Tビットの3D NANDフラッシュチップを披露する。96層積層プロセスを用いる。記録密度は8.5Gビット/mm2となっている。
そのライバルであるWestern Digitalは、128層を持つ512Gビットの3ビット/セルチップを発表する。メモリアレイの下に制御回路を配置し、書き込みスループットは132Mバイト/秒を実現する。
Samsungは、12Gビット/秒を提供可能な、512Gビットの3ビット/セルチップを披露する。ワード線/ビット線の設定時間を削減することにより、読み書き性能の向上を実現するという。
組み込みメモリ分野では、Intelが、同社の22nm FinFETプロセスを適用した最先端のReRAM/MRAM(磁気抵抗メモリ)のデモを披露する。
自動運転車向けのレーダーでは、MediaTekが、パッケージサイズが16×25mmの79GHz帯対応トランシーバーについて発表する。Intelは、同社の22nmプロセスを使った、71G〜76GHz帯対応の64素子フェーズドアレイトランシーバーについて説明する。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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