Facebookは、米国カリフォルニア州シリコンバレーに拠点を置くIPプロバイダーのSonicsを買収した。Sonicsは、NoC(Network on Chip)や電力管理技術を専門とする非公開会社である。
Facebookは、米国カリフォルニア州シリコンバレーに拠点を置くIPプロバイダーのSonicsを買収した。Sonicsは、NoC(Network on Chip)や電力管理技術を専門とする非公開会社である。昨今、Appleをはじめとする大手システム企業や、Google、Facebookといったプラットフォームベンダーは、自社で使うためのSoC(System on Chip)を本格的に設計しているが、今回の買収もそうした動きの兆しの一つといえる。
2019年3月12日(火曜日)夜の時点で、いずれの企業からも声明は出ていないが、米国EE Timesが、FacebookによるSonics買収のニュースを掲載した直後、Facebookの広報担当者からEE Timesに電話がかかってきて、「Sonics買収の件は認める」とのコメントがあった。「当社は現在、VR(仮想現実)およびAR(拡張現実)関連製品の新開発を急速に進めている。シリコン技術を深めていくことは、当社の今後10年間のロードマップにとって重要なステップである。Sonicsの傑出したチームと技術をFacebookに迎えることができて興奮している」(Facebook広報)
広報担当者は、FacebookがSonicsのデータセンター用チップ向けインターコネクトIPを使っているかという質問に対するコメントを避けた。
詳しくは分からないのだが、SonicsのWebサイトは、まるで別れの手紙のように読める1ページのメッセージが掲載されているだけの状態だ。タイトルには「Our Next Chapter(私たちの次の章)」とあり、その下に「本日、われわれがチームとして前進していることを発表することになり興奮している。この機会の一環として、当社はビジネスの幕を閉じようとしている」と書かれている。
EE Timesが調べたところ、Sonicsの主要な重役らが、現在Facebookで働いていることが分かった。同社の共同設立者でCTOであるDrew Wingard氏のLinkedInによれば、同氏はFacebook Silicon methodology部門のディレクターに就任したようだ。さらに、Sonicsのソフトウェア担当ディレクターだったScott Evans氏は、現在FacebookのCADおよびmethodology担当エンジニアになっている。同様に、Sonicsのエンジニアリング担当ディレクターだったGeorge Spatz氏は、自身の新たな勤務先としてFacebookの名を挙げている。
ただし、SonicsのCEOであるGrant Pierce氏は、EE Timesが火曜日(3月13日)に残したボイスメールに対してすぐに返事をしてこなかった。
FacebookによるSonicsの買収は既に世間のうわさとなっている。Sonicsの顧客は、主要なインターコネクトIPベンダーで、Sonicsの競合先であるArterisとの対話の中で、この買収を確認した。
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